第8話本音と偽り、そして貫く信念
水崎に謝られ、呆気に取られていた私。
震えた声でポツポツと語りだした彼女は今にも泣きそうにくしゃくしゃとした顔になっていた。
そんな彼女の顔を見るのが辛く、彼女の口元に視線が落ち、相槌すら出来ない空気が漂うのを感じ黙って彼女の話しに耳を傾けた。
「私なんかのために心配して駆けつけてくれたんだよね......ありがとう。中学の頃を知ってるようだから話すけど......好かれたくてああやって振る舞ってたんだ。でもさ、いつからか本当の私がどんな風だったか分かんなくなっちゃって......バカだよね。寄ってくるのは外見を気に入った
「......えっ?付き合いたいのって、何でそのことを?」
「聞いたの。小学生の女の子を手当てしてた彼女から、八奈見さんのことを......水崎さんのことがひょっとしたら好きなんじゃないかって、ね。睨んでいたから、とも」
「そう......ですか。私は、そんな水崎さんが好きですっ!外見だけじゃなくて中身だって、水崎さんの鼓動や体温を感じたいって思ってますっ!これだけじゃ、まだ足りませんか?」
彼女に今まで秘めていた想いを一息で言うと、彼女があははっと吹き出した。
「......ごめんっ!だったら......私と付き合う?」
「はっはいぃっ!おっお願、いしますっ!」
彼女が差し出した手を握り、彼女──水崎梨子と付き合うことになった。
その後、彼女と二人で下校している際に男子をビンタした経緯を訊くと、押し付けがましかったからと、その一言で片付けられた。
私は、彼女なりの貫く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます