第6話たまに悪気のない言葉で傷付ける彼女

「顔立ちが悪いねぇ──じゃなくて顔色が悪いねぇ、マイマイちゅん?どったのー?」

くりくりとした可愛い瞳で整った顔立ちをした友人がズズッと顔を近付け、訊いてきた。

「えっ、いや......その間違いはめっちゃ傷付くんだけど、ほっきぃ......何かしらのアニメで似たようなセリフを聞いたことが──」

彼女の言葉に傷付き、俯いて返してからあることに気付き、顔を上げて疑問を訊いてる途中に言葉を遮って謝り始められた。

「ごめんごめんって!ついだよ、つい間違えちっただけなの。許してよ、マイマイちゅん!」

掌を合わせ、浅く頭を下げる彼女。

「もう良いから。何て言ったらいいか......分かんない。まだ整理が出来てない......って感じ?なのかどうかも......」

「好きな人の気まずい場面シチュを目撃して、そのあとに何かしらあった。とかだったりしてぇ?」

試すかのような口ぶりで、彼女が片手のひとさし指を立てながらゆらゆらと左右に振り、そのまま私の鼻に触れる。

「うっ......とぉー、そうじゃ......」

「まあ、良いやっ!無理に言わなくていいよぅ~マイマイちゅ~んっ!いつもしてる表情にはないが視えたから訊いただけ、そんだけだよ。でさぁ──」

彼女──帆彩苗幹ほさいなみきは自身が納得したかのように笑みを浮かべ、話題を戻した。


水崎もミステリアスだが、帆彩も彼女と並びミステリアスに感じる同級生だ。

あだ名のほっきぃは本名フルネームを縮めたのと発起人を絡めた呼び名である。

学級委員長かの如くクラスをまとめようとし、楽しめるイベントを発起する人物なので、このあだ名が定着している。


彼女は私の数少ない友人の一人で、一人でいた私を気に掛け、話し掛けてくれ──友人となった。

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