第15話 山岳フロア

「剣、結構溜まってきたな…。」


あれからも沢山の宝箱が置いてあり、

中身は全て剣だった。


私たちは呪剣しか使わないし、

武器屋も流石に買い取れなくなり、

使い道が無くなっていたのだ。


「何か使い道を探すしかないな。」


ここは山岳フロア。

塔の中なのに山で構成されている。


異世界だし、

どこに何があろうと驚かないが、

この不安定な足場は、

私達の不安を煽った。


そしてこのフロアには、

何故だか罠が多い。


紐を蹴ったら弓が飛び、

ボタンを踏むと大砲が飛んだ。


だからこのフロアを、

私達は慎重に進む事にした。


ーその頃フロアボスは…。


「遂にこの場所に人間が来たか…。

 嫌だなぁ…。」


塔に最初に入る人間が、

死ぬかも知れないと思いながら、

この場所を訪れるのと同じ様に、

魔物達も同じ様な事を考えていた。


彼は新米のフロアボス。

その名もガーディアンエルフ。


強いから。そんな理由で、

本人の望まぬ殺しの役に任命された。


本人がこの役に就きたくない理由は、

「死にたくないから。」


たとえこの戦いに勝ったとしても、

レベルを上げて彼らはまた来る。


何度でも彼らと戦い、

最後には必ず「死ぬ」。


だから彼は人間に、

絶対に勝てる方法を考えた。


まともに戦ってはいけない。

このフロアの主は俺だ。


「詰みの状況を作り出すんだ。」


それが、彼の辿り着いた答えだった。

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