第2話 ハブの街
神を倒すと言う目標を持った私は、
手始めにそこの街を訪れた。
中世…でもないな。
異世界なのに現代っぽい。
でも少し懐かしさを覚えるのは、
過去に住んだ街と似てたからだろう。
街日足を踏み入れた瞬間、
街の人たちは目を丸くした。
疑っていると言うより、
私の事に驚いてるような感じだ。
RPGみたく草原にポツンとある街だ。
街の外からの人間が珍しいのだろう。
「君は旅の人かな?」
私より2歳位上の男性が、
こちらに話しかけて来た。
「いやー!驚いたよ!
街の外に人が居たなんて。」
彼はそう言って、
優しい顔で笑った。
「僕の名前は神楽大地。
この街で協会の神父をやってる。
君と同じ
どうやらこの世界では、
呪剣を持つ者を呪剣生と言うらしい。
本当に強い武器なんだろうが、
結構ありふれたやつだったのかこれ。
心を許した私は、
彼の教会に泊まることになった。
この街には人が来ないから、
宿屋なんて物は存在しない。
神をぶっ飛ばす為教会に泊まるのは、
なんか少し申し訳なさもあるが…。
寝る前に大地の部屋に行き、
神の事を聞いてみる事にした。
神を倒す事も打ち明けようと思う。
どうせいつまでも隠せないから。
コンコンコン。
「大地さん、起きていますか?」
中から寝巻きの神父さんが現れた。
彼は会った時も部屋着を着てたから、
たいして変わる訳でもないが。
ちなみにこちらはセーラー服だ。
早くこれ以外の服を買わないと、
流石に恥ずかしくなって来た。
だって仕方ないじゃん?
20代でも合格発表は制服着たいし!
ただ大地さんはそんな事は気にせず、
「大地でいいよ。」
と微笑んだ。
彼の部屋に入り、
切り出したのは彼だった。
「神を…殺すのかい?」
「どうしてそれを!?」
「呪剣生の宿命の様な物だ。
ここでは神を崇めてはいるが、
僕は別に神を信仰していない。」
彼は深くため息をついて、
この街の歴史を話してくれた。
「現在この世界には、
街はここ、ハブの街しかない。」
「昔はさまざまな街が栄えていたが、
全ての街は魔物達に滅ぼされた。」
「それでもこの街が残っているのは、
魔物の奴隷が住む奴隷街として、
魔物達が残しておいたからだ。」
「神というのは魔物の頂点。
それを崇める為に建てられたのが、
僕たちがいる、この教会だ。」
「僕は教会の家系だけど、
神を信仰していないのは、
そう言う理由だ。」
「しかし、魔物は人間を舐めていた。
ある日、選ばれし者が手にする剣、
呪剣を持った若者が、神を含む、
全ての魔物をあの塔に封印した。」
そう言って彼は窓の外を指さした。
街の近くに、高い塔が立っている。
「神を殺したいならあの塔を登れ。
その最上階に、神がいるらしい。」
全ての歴史を言い終わり、
大地さんはこっちを見た。
「大地さんは登らないの?」
「塔には結界が張ってある。
呪剣に認められても、
塔を登る義務はない。」
「わざわざ危険を冒さなくても、
生きてるだけで僕は幸せだから。」
言い終えた時、外で大きな音がした。
急いで外に出ると、
街は騒ぎになっていた。
街の人はうろたえ、
ある人はこう叫んだ。
「ゴブリンが出たぞーーーーー!!」
塔の結界が破られたのだろうか。
この街はゴブリンに襲われたらしい。
その時私は不謹慎にも、
チャンスだと思ってしまった。
魔物が封印された塔を登るには、
それこそ大量の経験値が必要だ。
ゴブリンごとき、私でも倒せる。
序盤の経験値稼ぎにもってこいだ。
「私は
そう言って私は、
大地さんを置いて走り出した。
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