一二戒 兎
眠兎はギターで周囲の空気を痺れさせる。破壊者は膝をつき、俺はいつもより叢雲が軽く感じた。
「光炎十字」
破壊者の削岩機の様な体を十字にぶった斬る。形が保てず、破壊者はその場で崩れ燃え上がる。
「怒は力を上げる。二本使わなくても楽に斬れただろ?」
「助かった眠兎。使千器しまえ。東に行くぞ。」
眠兎は万符翔をケースに戻し先程のように背負う。
「光狼、ちょっと待って。」
破壊者に寄って無惨に殺されたダットを、眠兎は瓦礫の下に埋めて彼の持っていた銃をそこに突き刺した。
「ごめんね。」
眠兎は顔の前で拳を握り黙祷する。
「さ、行こっか。」
ダットの基地への歩みを再開した。
ズパ――
ギイィィイィン
基地に行く道すがら、多くの破壊者と攻撃をしてきたダット、黒電話部隊を斬り捨て基地があろう場所に到達した。
「ここからは別れてダットのリーダーを探す。見つけたら鼠乃に貰ったアレで連絡しろ。疑われたら上手く言い訳しろよ。」
「了解〜。」
俺達はこのビル街からダットの基地を見つけることにした。俺達戒盾十三人は元々身体能力が人間離れしていて、本気で飛べば垂直に25m以上は飛べる。その脚力をフル活用し、高く素早くビル街を駆け巡る。
10分ほど駆け回っていると、『DAT』と書いてある垂れ幕の掛かったビルを見つけた。俺は鼠乃から貰った透明の板を出した。
「ええと、確か……。」
板に触れると丸いアイコンのが色々出てきた。電話のマークや漫画のフキダシマーク、鳥のマークや時計、カレンダーなど様々だ。電話のマークを押すと、戒盾の獅子以外の連絡先が明記してあった。そこから眠兎を押すとコール音が鳴る。
「光狼〜?見つかったの?」
「ああ、今位置を送る。俺は上で待ってる。」
フキダシのマークを押して眠兎へ現在地を送る。すると数分で眠兎が合流した。
「今から殴り込みに行く。攻撃してきたら即斬り捨ててもいい。でもなるべく騒ぎ立てるな。」
「了〜解。」
俺達はビルの中へ入っていく。一階は武器や弾薬、服などの戦闘用品が並んでいる。階段には人がいてそいつは問答無用で銃を構えてきた。
「誰だお前ら?ここの奴じゃないな。」
「俺達は戒盾十三人だ。お前らのボスに用がある。」
「何?戒盾がなぜこんな所に。ボスに会って何するんだ?」
「ダットをぶっ壊す〜的な?」
それを聞いた途端、男は顔色を変えずに銃を撃ってきた。眠兎とのアイコンタクトをし、俺は叢雲を抜刀。男の腹を叩っ斬り、腹が半分裂け男は階段上へぶっ飛ぶ。
ザワザワ――
――ザワザワ
「上の階に人が居るな。片っ端から脅してボスの居場所を吐かせるぞ。」
「なら私がやるよ〜」
眠兎は万符翔を取り出し、ピックを弦の上に当てる。
「もっと楽になろう〜。
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