第5話 お説教男子は嫌われますよ。 貴方の周りにも居ませんか、お説教男子。 おやおや、貴方がお説教男子ですか?

セラッタ:「ナリア、俺が力付きたら俺の女に伝えてくれ。俺は愛に生き愛で死んだと。

俺の愛は広く大きいから、伝えきるのは大変だろう」

ナリア:「いいよ。伝える相手0だろうから楽なものね」

(まだ余裕あるわね)

セラッタ:「楽しかったな。心残りはいくらあっても後悔はない」

ナリア:「そうね、貴方といると気は紛れたわ。私は暇じゃないっていつも言ってるのに」

セラッタ:「今に限らずな、俺が力尽きたらその時はタジックと逃げろ」

ナリア:「シィアタル村はどうなるの。ケミィもパペックもタカソンもトナファルもスイトスも皆皆、放って逃げろって言うの」

(セラッタが言うように、今の事だけを言ってるんじゃないんでしょう)

セラッタ:「畑仕事してるお前より、俺は情報が動向が入ってくるんだよ。

イライナが動きそうだ。

今までなんとか両親の押さえも効いてたが、あいつはもうその押さえも効かなくなってきた。

近いうちにあいつは妹を殺しフリューハート男爵家の家督継承権を手に入れるだろう。

あいつの両親はイライナと縁を切りたがってる。

そりゃそうだ、あいつは人の姿をしていても貴族でも、あれはけだものだ」

ナリア:「けだもの?そんな中等なものじゃないよ。あれは貴族でもけだものでもない。当てはめる言葉がないぐらいの存在よ。

大体ね、貴方さっきは私にイライナを殺させようとしてたわよね」

セラッタ:「俺が生きてる間はな。俺が死んだらもうだめだ。はっきり言っておく。

俺が死んだら負け戦だ」

ナリア:「私に負けた癖に随分言うわね」

(分かってる。個人の戦闘能力の問題なんかじゃない。私や村の皆だけじゃ、戦力がまったく足りない。

セラッタの仲間が一つになって私達と協力できてこその戦い)

セラッタ:「分かってんだろ。そんなものじゃない。確かにお前は強いよナリア。それでも」

ナリア:「殺したい。イライナを殺したい。殺さないと。殺さなきゃ」

セラッタ:「お前だってさっき言ってたろ。いつも言ってきたろ。

“タジックを護り育てるのが”って。

タジックの事を第一に」

ナリア:「お説教ねぇ。らしくないんじゃない」

タジック:「いや、これがらしいんだぜ。なんせ俺頭だから。

お説教は得意なんだ。弟息子が大勢いるようなもんだからな」

ナリア:「お説教男子は嫌われるよ」

タジック:「嫌われてもいい。憎まれても良い。 幸せになって欲しい。無事でいて欲しい。強くなって欲しい。

それが頭ってものだろう。

嫌われても言う事は言わなきゃなんねぇ」

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