助走違い
保育園の頃、負けず嫌いな私は毎日誰かと競い合っていた。
ある日、鉄棒をしていた時に友達が私より先に逆上がりを出来るようになった。私も負けじと挑戦したが、何度やっても逆上がりはできなかった。
次の日も次の日もできず悔しくてどうしたら出来るのかわからないまままた何度も同じようにやっては失敗を繰り返していた。
少したって、また逆上がりの練習をしていたら、保育園の先生がアドバイスをしてくれた。
「助走が足りないのかもね。」
私はなるほどと思い、次は思い切り助走をつけてみることにした。
その頃は親の仕事が忙しく、延長保育でひとりだけ園に残っていることが多かったため、夕方のグラウンドで練習していた。
うちの保育園は田舎にあるメリットを存分に発揮して土地が広く、子供が走り回るには広すぎるくらいのグラウンドがあった。
これくらいでいいか
私は鉄棒から20メートルくらい離れ、全速力で鉄棒に向かい走った。
そして鉄棒に飛びついた。
が、勢いが強すぎて鉄棒を掴みきれずそのまま吹っ飛んだ。
吹っ飛んだ私は膝を擦りむき頭を打って転げ回る。
何事かと先生が出てきたから事情を話す。なぜか先生は爆笑。
そう、これは不運な勘違い。逆上がりの助走と言ったら振り上げる足の勢いのことだが、まだ子供の私は助走と言ったら走り込むことしか頭になかった。
親に先生が怪我のことを話すと二人はまた爆笑。
難しいね、日本語。ってちがうか。
ちなみに次の日先生が教えてくれた通りにやったら逆上がりはできるようになりました。
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