第66話 チロの選択②

「あにょね…ゆめにかーしゃんととーしゃんがでてきたにょ…」



もじもじしながら恥ずかしそうに話し出すチロ。



「しょんでね…チロがくしゃいにょにだっこちてくれたにょ…」



その話を聞きながら涙が溢れてくるエチカにランバート。



「そうなの…母さんはチロが臭くても大好きなのよ!」



「父さんもだ!」



チロはポロポロと涙を流して、エチカ達に胸の内を話し始める。



「チロね…ねーねとはにゃれたくにゃいけど…かーしゃんととーしゃんといっちょにいたいにょ…うわーーん」



その瞬間エチカがチロを思いっきり抱きしめる。



「チロ、その件は解決させるから大丈夫よ!」



「すん…ねーねといっちょにいれりゅにょ…?」



「ええ!毎日は無理だけど、ほぼ毎日会えるわ!」



「やったーー!」泣きながら喜び小踊りするチロ



してやったりの顔をしているエチカに、唖然とするランバートであった。



その後チロは安心したのかスヤスヤと眠りについた。エチカはその姿を見届けると部屋を出ると直ぐに、待っていたランバートに詰め寄られる。



「あれはどう言うことだ?」



「ルルちゃんの事?あれは実はルルちゃんの提案なのよね、チロの今後の事や自分の事も考えて私に話してきたの」



「ルルさんが?」



「ええ、あの子も自分の将来を考えているし、チロの将来も考えてくれてたのよ…本当に賢い子よ、兄上の子とは思えないわ!」



ここでお泊まり会をやる前日に、エチカの元にルルがやって来てチロの正式な引き取りをお願いしてきた。もし泣き出したら、いつでもルルと会えると言えば納得するとまで計算していた。



「本当に8歳なのかい?」驚くランバート



「ええ…あの子も大人になるしかなかったのよ」



「で、ルルさんが家に通うのかい?」



「正式にはチロと一緒にここで勉強会をやってくれるのよ、アンリちゃんもここにいるおちび達とね」



「それは嬉しい事だが、陛下は大丈夫ですか?」



「兄上も賛成してくれたわ!」



エチカとランバートはこの話をカイデルとビビアンにも報告した。チロの話に胸を痛めていたが、ルルの提案には驚いていた。そして…



「チロちゃんの夢は予知夢じゃない?エチカさん!医者に見てもらいましょう!」



「そうですね…でも正直怖いんです、もしまたあんな事があったらと思うと耐えられません!」エチカは震えている。




「今度はそうはならない!いや…させない!」



ランバートが厳しい顔で宣言する。そしてカイデルやビビアンも強く頷く。エチカは自身も強く頷くと4人で深夜まで話し込んでいた。





















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