第63話 おちび達を捕まえろ!

ああ見えて多忙なジェラルドは、食事をしたあと直ぐに王宮に戻っていった。遊び相手がいなくなり最初はグズっていたおちび達も、食後のデザートが運ばれてきた時には機嫌が良くなっていた。



「おちび達、これを食べ終わったらお風呂に入りますよ!」



「「「はーーい!」」」



口にクリームをいっぱいつけて元気良くお返事するおちび達。



「エチカ王女…まさか貴女が入れるのか?」驚くカイデルとビビアン



「えぇ、これでも孤児院では倍以上のおちび達を面倒みてましたから、3人ぐらい朝飯前ですわ!」



唖然とする2人と苦笑いのランバート。



「奥様!私達がお手伝い致します!」



聞いていたメイド達がエチカに申し出る。



「うーん…大変よ?」



「大丈夫です!私には兄弟が5人いましたから!」



「本当!?それなら問題ないわね!…でも一応聞くけど、子供達の行動も一緒かしら?」



「お風呂場に行く途中でトイレに行きたがるし、お風呂場でも大惨事になります、それに服を着たがらないですね…風呂場に行く前に脱ぎ出します!」



メイドが熱く語ると、エチカが立ち上がり固い握手をかわす。するとおちび達もその上に手を乗せてきたので、その場に笑いが起こった。



「さぁ!おちび達共!風呂に行くぞ!私のあとに続きなさい!」



「「「はーーい!」」」



エチカはそう言うとゆっくり歩き出した。そのあとをヒヨコの様についていくおちび達、それが可愛くて、カイデルとビビアンそしてランバートは微笑ましく見守る。




「かーしゃん!うんちちたい!」堂々と宣言するチロ



「リクはだいじょぶー!」どや顔のリク



「ぼきゅ…でりゅ…」恥ずかしがりながら言うエドワード



「奥様!私がエドワード坊っちゃんを抱えます!」



「お願い!チロこちらにいらっしゃい!」



「あい!」



エチカとメイドが各々おちび達を抱えて走り出して、そのあとを追うリク。そんな騒々しい光景を唖然と見つめるカイデル夫妻。



暫くして戻ってきたチロとエドワードは全裸で走っている。何故かリクも全裸で、3人を追うようにエチカとメイドがやってくる。



「そのまま捕まえて、お風呂場へ直行でお願い!」



「分かりました!」



走り回る3人を囲い混んでいき、一気に捕まえる。



「捕まえた!風呂に行くわよ!」



暴れるチロを捕まえたエチカは、直ぐ様お風呂に駆け込んでいった。ベテランのメイドは右にリク、左にエドワードを小脇に抱えて冷静に風呂場に連れていく。



その光景を見て爆笑するランバートと開いた口が塞がらない夫妻だった。


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