第53話 ルルとおちび達①

「チロ、リク、お城は楽しかった?」



ルルが自習をしながら、横でお絵描きをするチロとリクに聞く。



「「うん!!」」二人が強く頷く。



「あにょね!ごはんがおいちいの~」うっとりするチロ



「またトイレに直行だったな…」



「えー!ルルにゃんでわかりゅの?」驚くリク



「あんたらは遊ぶか、食うか、うんちするか、寝るかのどれかじゃん!簡単だよ!」



「「エヘヘ~」」何故か照れる二人



それからは穏やかに時間を過ごす。二人は楽しくお絵描きしているが、描いている絵は全部性別不明の棒人間だ。



「これ誰なの?」ルルが何気なく聞く



「「!!」」二人は驚き、そして可哀想な目でルルを見る。



「ちょっと可哀想って顔しないでくれない?」苦笑いのルル



「わからないんでしゅかー!」呆れるチロ



ルルは何だか悔しくて、絵をじっと見る…がどう見ても棒人間だ。特徴も何もない只の棒だ。



「おい、只の棒人間だろ!」半ギレのルル



「ねーね、これはぼーじゃにゃいよ」



冷静に言うチロのぷにぷに頬っぺたをツンツンしてやる。チロは何故か嬉しそうだ。



「ルル~ぼきゅのもぼーじゃにゃいよ!」



「……誰か助けて」



そんな中、アンリがエドワードを連れてこちらに歩いてくる。



「あ~救世主!」



ルルはアンリに事情を説明する。エドワードと仲良くお話するチロ達は、絵をアンリに見せる。



「わー!立派な棒人間じゃん!」拍手するアンリ



「アンリ!ありがとう!」安心するルル



「わー!こりぇエチカしゃんとジョンしゃんでしょ~!」



エドワードが言うと、頷くチロ達。



「おちびの世界では棒人間が常識なのか?」



ルルは手を止めて、紙にジョンさんを描く。そしてそれをおちび達に見せる。



「ねーね、ジョンしゃんかいたにょー?じょうじゅでしゅね!」



チロが言うと二人も拍手して頷く。



「これとこれは全然違うでしょ?」



自分で描いたジョンさんとチロが描いたジョンさんを比べて言う。



「…ねーね、これはかーしゃんでしゅよ?ジョンしゃんはこっちでしゅ」



「あーーーーー!」



頭を抱えて叫ぶルルを見て爆笑するアンリ。



「あら、どうしたの?」



叫び声を聞き付けて、エチカがやってくる。そしてチロの絵を見る。



「チロ、私とジョンさんを描いたのね!上手に描けてるわ!」



「エヘヘ~ありがとごじゃいましゅ!」照れるチロ



ルルとアンリは棒人間の絵をじっと見る。だが、棒は棒だ。



「私たちが変なの?」唖然とするルル



「いや、エチカさんが特殊なのよ」苦笑いのアンリ



おちび達はそんな二人に気付くことなく、仲良くお絵描きの続きを始めた。

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