第2話:幸せの日々
優李と付き合い始めてから一週間経ったけど、私と優李の関係が劇的に変わることはなかった。だけど、私たちの周囲にはちょっとした変化が見られた。
まずは私たちの両親がとっても喜んでくれたこと。ママなんて泣きながら喜んでくれた。ずっとこうなることを望んでいたみたいで、「嬉しいよー」って泣いてるママを見たら、なんか私もとっても嬉しくなってギュッて抱きついた。
あとは学校でも友達から「やっと付き合ったんだね! 優李くん結構モテてたから悲しんでる女の子結構多いかもね」なんて揶揄われることも増えてしまった。だけど、その子が言うように、優李のことが好きな子がいるっていうのは噂で聞いていた。
初めてその噂を耳にしたときは「もし優李が他の女の子と付き合っちゃったらどうしよう。私のことなんて構ってくれなくなっちゃうのかしら」って一人で焦って落ち込んでいた。だから私は、他の子に優李を取られたくないから、あの時勇気を出して告白をしたのだ。
だって優李が他の女の子と、私以上に親密な関係になるなんて我慢ができなかったのだから。
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私たちの関係が動き出したのは、付き合ってから3ヶ月後のことだった。
その日は地元の夏祭りがあって、優李と光輝くん、そして光輝くんの彼女と4人で一緒に行く約束をしていた。本当は奏ちゃんも一緒にって思ったんだけど、「Wデートに私が入るのはさすがに遠慮しちゃうよ」って言われてしまった。私の配慮が足りなかったとちょっと落ち込んでしまう。
「羽月の浴衣姿はやっぱり似合うな」
「ありがと。優李の浴衣姿もかっこいいわよ」
照れながら頭をポリポリと掻く優李がとても可愛らしい。
「ふふっ。待ち合わせに遅れちゃうし、そろそろ行きましょ」
私は優李と手を繋いで夏祭り会場へ向かった。
徐々に人が多くなってきて、いつもは人通りの少ない細道まで混雑している。この人だかりは慣れないなって来る度に思ってたけど、優李といつも以上に密着できたので「まぁ、こういうのも悪くないわね」って考えるようになっていた。我ながら現金すぎる。
ようやく待ち合わせ場所に到着して、光輝くんたちと合流した私たちは、とりあえず出店を一通り歩いくことにした。
「なんかいつもよりお祭りがキラキラ輝いて見えるわ」
多分それは隣にいる優李のせいだ。優李が私の隣で歩いてくれている。手を繋いで離さないでいてくれるから、私の世界が輝いて見えるのだ。
一通りお祭りを楽しんだ私たちは、出店で買ったりんご飴や綿菓子、たこ焼きなどを持って境内に行き、食べながらたくさんのお話をした。
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「羽月、ちょっと公園に寄っていかない? もうちょっと2人で話したいんだ」
光輝くんたちと別れて、私たちが家路に向かっていると優李が花咲公園へ誘ってくれた。私も優李とまだ一緒にいたかったので、とても嬉しい提案だった。
公園ではさっきの夏祭りのことや期末考査のこと、夏休みを一緒にどう過ごすかたくさんお話をした。ふと気付いたら優李があまり話に乗ってこなくなったので、顔を見てみると何だか様子がおかしかった。
「どうしたの?」
すると優李がアタフタとし始めたと思ったら、急に真剣な目をして私を見つめてきた。そして、手を頭の後ろに回して、顔を近づけてくる。
チュッ…
(………えっ?ええええええ?????)
私は突然の出来事に頭が大混乱になってしまったが、優李の照れたような顔を見たらとても嬉しくなってしまい、ギュッて抱きしめてしまった。今度は優李がビックリしてたけど、ゆっくりと私の背中に手を回して力強く抱きしめてくれる。ずっとこうしたかったの。大好き、優李。
暫く抱き合っていたけど、どちらともなく身体を離して、お互いを見つめ合ってまたキスをした。2回目のキスは、さっきみたいにすぐ終わらずに、お互いの唇がくっついてしまったのではないかと思うくらい長くて、私の頭はもう何も考えられなくなっていた。
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夏祭りが終わってからは、私たちは頻繁にキスをするようになった。
さすがに学校とかではしないけど、お互いの部屋はもちろん、いつもの公園や裏路地などで隙を見つけてはチュってキスをした。
そして夏休みに入り、私たちはたくさんデートをした。3年生になったら受験があるし、今みたいに遊ぶことが出来ないだろうから、今年の夏休みはたっくさん遊びましょうね。って優李と約束をしていたのだ。
もちろん幼馴染みで親友の奏と光輝くんたちとも遊んだけど、やっぱり今は優李と2人で遊ぶのが私にとって最優先事項だと再認識した。
夏休みも中旬に差し掛かった頃、さすがに遊びすぎちゃったので優李の部屋で宿題を一緒にすることにした。
最初は黙々と宿題に取り組んでいたんだけど、お昼ご飯を食べてちょっと休憩していたら、いつの間にか抱きしめ合ってキスを繰り返していた。
(あれ? いつものキスと違うかも……)
私がそう思った瞬間に、優李の舌が私の口の中に入り込んできた。最初吃驚してしまったけど、私はすぐに優李の舌を受け入れて、舌と舌を絡ませ始めた。
何これ。こんな気持ちいいキスがあるなんて私知らなかったよ。私は夢中になって優李の舌を求めて絡ませていたが、不意に優李の顔が離れていってしまった。
(あぁ、行かないで……)
そう思い目を開けると、眼前には「はぁはぁ」と息を荒くして、目をトロンとさせている優李がいた。
「羽月。俺もう我慢出来ないよ。最後までしていい?」
優李の特別になりたい。優李に抱かれたいと願い続けていた私には断るなんて選択肢なんてなかった。
「勿論いいわよ。優李、大好きよ」
そうして私たちはひとつになった。
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初めて優李とひとつになってからは、気が付いたらエッチなことをしていた。優李は普段は優しいのに、エッチのときはなんか余裕が余りなくて、ちょっと強引になるところがいつもと違うギャップでとても素敵だ。
「なんか最近はちょっと時間があるとエッチしちゃってるな」
「そうね。だけど優李とエッチできるの幸せな気持ちになるから、私は毎日でもしたいと思ってるわよ」
「ったく、お前はそういうことをすぐ言うんだから……」
そう言いながら顔を赤くして優李はそっぽを向いてしまう。
「まぁ、俺も羽月とエッチするのは好きだけど、ずっとエッチばかりしてるとダメになっちゃいそうだからさ、ちゃんとしたデートもたくさんしような。来年はさ、受験で大変だろうから、羽月との思い出をたくさん作りたいんだよ」
「そうね。そうやって私たち2人の関係を大切にしてくれる優李のことが私は大好きよ」
優李の思いを聞いて嬉しくなってしまった私は、裸のまま優李に抱きついてキスをした。
「おい、そんなことをするとまたしたくなっちゃうだろ!」
「いいのよ、優李。あなたが抱きたいときに私を抱いてくれていいんだからね」
「さっきかっこつけて思い出作ろうぜって言ったばかりなのに……これじゃあダサすぎだろ………」
「そんなことないわよ。優李はいつもかっこいいし、かっこ悪いなんて思ったこと一度もないからね」
そう言ってまたたくさんキスをして、何度も何度もエッチを繰り返した。
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月日は流れて私たちは中3になった。
私も優李も比較的成績の良い難関高校への入学を希望していたので、お互いに一生懸命勉強をした。同じ高校に行って、ずっと一緒に登校しようって約束しているのだ。
勉強は大変だったけど、お互いが支え合っていたし、共通の目的があったので全然ツライとは思わなかった。
「そういえば光輝が彼女と別れたんだってさ」
勉強の合間に優李が吃驚する話題を口にした。
「あの2人とってもお似合いだったのにね。なんで別れちゃったのかしら?」
「うーん。あんまり詳しくは聞いてないんだけど、光輝から別れを切り出したみたいだな」
「そうなのね。あんなに仲が良かった2人でも別れるときが来るのね」
私は悲しくなって俯いてしまった。すると優李はギュッと私を抱き締めて、「俺たちは大丈夫だよ。ずっと一緒にいような、羽月」と優しく耳元で言ってくれた。
「うん……。ずっと一緒にいようね、優李。大好きよ」
私は光輝たちが別れたことで落ち込んだわけではなかった。驚きはしたけど、落ち込んでしまうほどではない。
私は光輝と彼女の別れを自分たちに置き換えてしまい、落ち込んでしまったのだ。そんな私の考えを見透かしたように、優李は私が今一番欲しい言葉を伝えてくれた。
優李は私が口にしなくても何でも分かってくれるのね。
私は今の幸せを噛みしめながら、優李の身体に身を委ねた。
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