最下位の最上者

第55話

数日後桑原たちはEランクへと正式に落とされ、それ以外に処分されることなく決定された。

しかし何日立っても桑原たちは教室に姿を見せることはなく話題にもならなかった。

相手を平気で騙すような酷い性格をしているが、欠席は一回も無しという律儀な奴ら。

もしかしたら俺たちに会うのが気まずく顔を合わせ辛いのだろうが、つい気になってしまった。

これで入学してから何かと疑われたり巻き込まれたことである意味充実していた日常に平穏が訪れる。

結局軸となるランクは変わることなく、生活も平坦としたまま流れていくだけだが、Aランクのように権力任せに縦に行動する頭の悪いメンバーと一緒であるよりは楽しいのだろう。

まあ本当に頭の悪い者は一人いるが。

学力も剣も上に上がるには如何程かかるかわかったものではないが、少しずつ頑張っていくしかない。

それが最下位の特権だ。