生徒会会議
「おーい、紺野くんいこっ!」
こうやって声をかけられるのも慣れたもの。
何せほとんど毎日生徒会の活動はあるのだ。
俺たち1年はまだ部活動には所属できないが、五十嵐先輩なんかはたまにバスケの助っ人・琴先輩はパソコン部に所属しているためいないこともある。
俺たち生徒会は下手をすると、小鳥遊学園強豪の男子テニス部より活動しているかもしれない。
「はーい、今行く。」
中でも今日は特別な活動。
体育祭の種目を決めるのだ。
なんてったってここは自由が売りな私立高校。
種目はその年の生徒会役員が決めるらしい。
少しは楽しそうだけど正直今仕事を増やされるのは辛いなぁ……と文句の少しでも言いたくなる。
ズシッと参考書が沢山入った重い指定カバンを肩にかけると如月の方へ向かう。
「今日も生徒会室だよな?」
念の為と確認すると即座に頭の中で確認して頷かれる。
さすが将来有望な学年首席だ。
階段をのぼりドアを開けるともう既に琴先輩は足を組んで、花梨先輩は腰までの長髪をくるくると指にまきつけながら座っていた。
「お、サボりかと思ったぜ秋」
「そんなことしませんよ、先輩じゃないんですから。」
「あ?」
「もー、こととあっきー!来てそうそう喧嘩しないっていつも言ってるしょー?」
「へ」
「へ、じゃないーもう。分かってないっしょ!」
そういって頬をぷくーっと軽く膨らませる。
「あ、ところであっきー?」
「なんですか?」
「五十嵐先輩今日助っ人で遅れてくるから私が進行しといてって」
「あ、お願いします。」
五十嵐先輩いないのか、と思いつつ頷くと的確に指示を出していく。
「じゃあここちゃん記録お願い出来る?」
「はい、OKですよ〜」
「こととあっきーは案じゃんじゃん考えちゃって〜♪もちろん私もここちゃんもだしておけだかんね!」
「了解です!」
…………………………………
カツラの校長に頼まれたのは定番の競技以外に最低でも2種目考えること。
かなり多いけれど頑張って考えれば何とかなるだろ。
定番の競技とは
○100m走
○走幅跳
○走高跳
○HRリレー
のことだ。
「えーとっ、この4競技以外になんかありませんか〜?」
声を出す花梨先輩。
「えと、借り物競争はどうでしょう?」
「うーん、」
如月の案に眉を寄せて唸る花梨先輩。
「生徒しか参加しないから持ってるものは限られるかなって思うんだけど……」
「あ、そうですね。」
「じゃあ借人競走はどうだ?」
「おお、ことなかなかいい案だすじゃんっ!そーする?」
「俺も賛成です。」
「私もそれで!」
「じゃあ1個目かんりょーう!あと1競技だね!」
「以外とすんなり決まったなー、あと1競技か。」
「うん、なにかあるひと〜♪」
「えーと、パン食い競走はどうでしょう?」
「二人三脚は?」
「えとっ、障害物競走はどうでしょう。」
「あわーーー、ちょいまちっ!おおすぎー、ここちゃん記録できてるー?」
「はい、今のところでた案は
○借人競走
○パン食い競走
○二人三脚
○障害物競走
ですね。」
さすがの記憶力&記録力だな。てか、ん?
「「「「あ゛」」」」
「失礼する、遅れてすまない」
そういって颯爽と入ってくる航太先輩。
黒板を見るなりー。
「これは、、沢山出ているな。だが……」
そうだ、その通りだ。
だって、事前に言われてたじゃんか……
「「「「「昨年または一昨年に開催された種目は開催してはいけない……」」」」」
「ごめんっ!!みんな、こんなに出してもらったのにー」
「まあまぁ、」
と五十嵐先輩。
余裕そうな顔をしている。
何やらニヤニヤと微笑んでー。
こっちを向く。
「全部くっつければいいじゃないか。」
「「「え?」」」
「幸いにして全ての競技ができるチャンスなのだぞ?生かさない手は無い」
してやったり、と微笑む先輩。
説明を受けると同時に俺たち生徒会メンバーの瞳は瞬く間に輝き出す。
「そうですね、先輩。これは盲点でした。」
「だろう?」
「これならコストも大幅に削減することが出来ますね。」
「うんうん、食品を無駄にしないし。」
「ですね、これで決定しましょう!!」
「けど、、あと1種目はどうするの?」
と花梨先輩。
「ふふふ、これだけ長時間を必要としそうな競技があるのに2種目も必要かね?」
「おおっ!!!」
「私に任せておけ。かならずあのかつら校長を納得させてみせる」
「じゃあ、早速そこの4人はあそこへ。私は校長室へいってくる。」
「「「「分かりました!!!」」」」
五十嵐先輩もかつら校長なんて言うんだなぁ……
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