自己紹介in小鳥遊高校生徒会

放課後になり俺と如月で生徒会室へ向かう。

先生とクラスメイトには無事間に合ったことと、へっぽこな挨拶をかなり馬鹿にされて如月にはめちゃくちゃ謝られた。




「カラカラ……」

横引きの古いドアを開けるとそこには先程のメンバーと1人、見慣れない男子生徒が。



「さぁ、全員揃ったな。じゃあ自己紹介と行こうか。」

と、唐突に切り出す五十嵐先輩。

如月と俺以外驚いた様子がないことから、いつもこんな感じなんだろう。




花梨先輩のじゃあはっじめっるよ〜♪の声の後、至って真面目に五十嵐先輩がご挨拶。


「私から行かせてもらう。ここ、小鳥遊高校3年生徒会長 五十嵐 航太だ。よろしく頼む。」

五十嵐先輩が椅子から立ち上がり、完璧な角度の礼をした後、花梨先輩が次に話す。



「おはよっ!いや、こんにちは?とりあえず2年生の三華 花梨ですっ♪よろしくっ!」


ぺこっと明るくお辞儀をしたあと、さぁ、次は〜?と言いながら男子生徒の肩をグイグイと押す。


「わかってるよ、うっさい三華。俺は2年小鳥遊 琴だ。会計をしている。女の子っぽいなんて言うなよ。」


俺の目を見ながらそう言う琴先輩。たしかにことって女の子っぽい名前だけど、それ以上に外見が女の子っぽい……失礼か。

恐らく1番小さいサイズと思われる制服のズボンも、踏んづけてしまってワイシャツの袖口はたっぷりといいほど余らせている。

なんか幼稚園の頃見た布団のシーツで作ったお化けみたいだ。

極め付きは、白くて華奢な体躯にさっぱりした髪。二重の目に長いまつ毛。どこからどう見ても小さい女の……




「おい、お前。俺の事チビな女だとか思ってないよな」


心を読まれたかと思い、思わずビクッと震える。


「はいはい、ことっ、ちょっと黙ってて。はーい、あっきーも自己紹介どーぞっ!」


花梨先輩のおかげで無事助けられた俺だが、またもや唐突に振られてしまった。

とにかく、さっきの放送の件よりは幾分かましで咄嗟にでも挨拶できたとは……おもう。


「すみません、琴先輩。俺は1年 紺野 秋です。副会長?でしたっけ。やらせてもらいます。よろしくお願いします。」

「そうか、紺野くんで良いか?」

「はい、構いません。」

「今更だけどあっきーでいい?」

「ええ。」

「あでいい?」

「え……ぇ?」




さすがにいまのは……声の方向を見ると琴先輩が。

睨んでいるのだろうけど綺麗すぎて睨んでるような気がしない。

てか、根にもたれてんな。


「すみません。琴子先輩」

「ふんっ、……!?は!?」

「ちょっとー、ことっ!“あ”は酷いでしょっ!せめて名前呼んであげなよ。」

「おい、後ろについてる“子”が聞こえなかったのか!!」

「名前で言いなさい、小鳥遊くん。」

「はい……あーもーっ!!紺野……覚えとけよ」


流石の琴先輩も五十嵐先輩には頭が上がらないみたいだ。

からかったことは悪く思うけどなかなか面白い……なんて思ってないですよ〜。うん。



「はい。よろしくお願いします。」

「ちょっとー、ことっ!名前でってば」

「いいですよ花梨先輩。」

なんで俺が譲歩したことになってんだよ!という琴先輩のツッコミはスルーさせてもらう。


「むぅ、」

むくれる花梨先輩を窘める五十嵐先輩。


「最後は如月さんだな。」

「はい、紺野くん同様1年の如月 虹湖です。副会長を務めさせていただきます。ここ、とでも呼んでください。」

「了解だよっ!ここちゃん」

「了解、如月」

「おーけーだ。僕も如月さんとよんでいいか?」

「ええ。」


かくして小鳥遊高校2日目の放課後は過ぎていった。








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本日は初日のため5話更新させて頂きました!


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