第2話 The HERO dances
「ヒーロー到着しましたぁ!」
機動隊の人がトランシーバーに向かっていう。
「これって私もうヒーローってこと?」
「ああ、このスーツは僕のスーツをベースにして作られてるし、多分もう星野さんとかが根回ししてるんじゃない?」
あの人ってそんな力あるんだ……
「それもそうだけど、基本出動するときにはこっちからどんなヒーローが行くか連絡してから出動って感じだから、でも今回は、至急だから新人の君でも要請が来たのさ」
と、山田さんの声がした。
「こんな感じで通信来るんですね」
「戦闘中はあんまり通信しないし、状況見て判断するのは吉岡が得意だけど、教えるのは僕だから」
そう話していると、どんどん規制線の内側に連れていかれる。
「ここから先に、大量のロボットが出現し、攻撃してくるようです。なので、そのロボットたちの掃討と、出所の捜索をお願いします」
最初にいた機動隊の人に言われる。
「わ、わかりました」
現場は商店街で、警察の方々がブルーシートでほかの人たちが入れないようになっている。
周りを見渡してみると、日中の商店街の人の数くらい、手に日本刀を持ったロボットたちが昼前のマダムのように平然と歩いていた。
「大丈夫だよ真衣、俺もアシストするし、君は遠慮せずにぶっ壊しちゃっていい」
「わかった」
と言って構える。
目の前にいたロボットが3体、こちらに振り返り、攻撃を仕掛けてくる。切りつけてくる剣をひらりとかわし、姿勢を崩した敵に、飛び後ろ回し蹴りで薙ぎ払う。切りつけてきた3体は頭部を破壊され、その場に倒れこむ。
「わお、すごいね」
通信先から何かが聞こえた気がした。
「さすがだよ真衣、スーツで強化されているとはいえ、あの動きはできないよ。次来るよ! 後ろ5体!」
「フッ! ハアァ!」
すごい、思った通りの動きができる!!!
次々とロボットたちをなぎ倒す。
「はぁ、はぁ、まだ出てくるの?」
「真衣、あそこ」
そう康太君が言うと、目の前のディスプレイがズームされ、商店街の裏路地から出てきていることがわかった。
「120メートル以内に150体以上確認! 1回身を隠したほうがいいかも、山野君煙幕焚いて! 」
「了解! 真衣、煙幕炊いたら上に飛んで、建物の上。アシストするからとにかくジャンプ」
「わかった!」
背中のバックパックの底面が開き、スモークが焚かれる。それとほぼ同時に上へ飛び上がり、建物の上へ隠れる。
「よかった、一応フレアも焚いといて、山田さん、ロボットの解析してもらっていいですか? データ送ります、櫂それとたぶん熱源探知式で僕らをおってきてます」
「了解、解析終わったらすぐ渡す」
「なんかわかんないけど、弱点が見つかったら教えてくれるってことね」
「うん、そういうこと。じゃあ路地のほう見てこようか」
「わかった」
建物から建物へ飛び移り、上からロボットたちが出てくる場所を観察する。幸いロボットたちは上を見ていないらしく、今はばれていないらしい。
ロボットたちは路地裏にあるはずのない、謎の階段から出てきている。
「どうやって入るの?」
「今考えてる、ちょっと持てて」
「一応解析終わったから報告するね。さっきまで君たちと交戦していたロボットだが、セクター社のFE_42型の改造ロボットだ。このロボットはもともと家庭用のものなんだが、かなりいじられてるみたいだね。とりあえずFE_42型の詳細を送っといた、山野君よろしくね」
「了解しました。なるほどね、大量生産できるのが売りってところか。そうなるとセクターも絡んでるのか?」
「改造されてるから確実とは言えないけど、FE モデルは旧型だから、細かいところまで情報が出てるんだ、だから、みんな作ろうと思えば作れちゃうモデルなんだ,でもこんなに大量生産してるってことは__」
「なるほど……じゃあ入ってみないとわかんないってわけだ」
「じゃあどうやって入るの?」
「そりゃあ簡単、上からミサイルさ」
「あー簡単……え⁉」
「腕にモニターみたいなのがあるでしょ? それで小型ミサイルを選択して目の前のカーソルをあの階段に合わせて発射を押せば飛んでいく」
「でもミサイルなんでしょ? 大丈夫なの?」
「ああ、このミサイルはこのスーツを着ていれば大丈夫」
「わかった、行くよ!」
手元のディスプレイを操作し、表示された発射ボタンを押す。すると肩のパーツが展開し、人差し指ほどの長さの金属が現れる、それは火を噴きながら発射され、爆発を起こす。兵隊のように並んで歩いていたロボットたちは吹き飛び、周りの建物は崩れる。だが、階段だけは残っていた。
「突入して!」
「わかった!」
崩れかけている建物から飛び降り、階段の下へと向かっていく。
下っていく途中
「すまない2人とも、こっから先は通信が弱くなる。だから、こっちからの伝達が難しくなる、こっから先は2人の判断になる、だから少しでも厳しいと思ったら逃げてねよろしk__」
通信が途絶える。
「真衣、ここから先は僕の指示に従ってほしい。特に『逃げろ』の指示は聞いてね」
「わかった」
数分下って行った先には
「これは__生産ライン?」
そこには、機械の基盤や、鉄の塊がベルトコンベアの上に並び、様々な機械へと吸い込まれていく。そんなラインが見えるだけで数10本あった。
突然、声が聞こえた
「ハローヒーロー、君一人だけなのかい? まぁいいや。ここまで来れたお祝いに、僕とお話しようよ、僕がこの計画の首謀者だからねぇ。バカだと思ったかい? まぁもう君たちには逃げ場はないし、僕のところに来るしかないねぇ」
後ろを振り返ると、扉が閉じていた。
「仕方ない、真衣、素直に従おう」
「おっけ、じゃあ首謀者さんどこに行けばいいんですか?」
「あぁ君たち一人だけど一人じゃないんだね、じゃあこっちに来てくれるかな」
そう言ったと同時に、左手にあったシャッターが開く。
その先の通路を進んでいくと、白い壁に囲まれた天井の高い部屋に行きつく。正面の壁には、ガラスがはめ込まれており、こちらを上から見れるようになっている。
「おはよう、ヒーロー。まずは自己紹介だね、僕は犯罪結社DASHのロビンソンだ、君の名前は?」
少年が美女を侍らせていた。
「あーそれってもしかして、ヒーローとしてのってこと?」
「まぁそれでもいいかな、とりあえず貴女の名前を聞きたいんだ。そのAIの名前は微塵も興味ないけどね」
「わ、私は……アロイル、アロイルよ!」
「ではアロイル、君はここに凶悪な犯罪者がいたとしよう、君はどうする? 殺すか? 確保するのか?」
「それは簡単ね、私だったらぶん殴ってわからせる!」
「アハハハハハハハ! いいねぇ君、僕が好きなタイプの女の子だ! はぁ、すまない少し興奮してしまった。それじゃあ君に、いやこれは君たちにプレゼントだ」
そう云って部屋の奥に去ってしまった。その時、上から男の大声が聞こえる
「ガハハハッ!」
ズドン!!!!!!! 上からサイボーグみたいな改造された大男が降ってきた。
「うちの親分もえげつねぇ事するなぁーこんな小娘に俺を使うとはよぉ」
「もしかして私、舐められてる?」
「そうだね僕ら、舐められてるみたいだね。さっさとぶっ潰そうか」
「わかった、ブッツブス!!!」
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