第172話 とんでもない事情

 グノーシスがそう語ると一同沈黙している。重苦しい雰囲気だ。


「交配している様子だ。屍兵とコボルトがな。次々に兵士を量産している様だ。見るからに死の王直属の軍とベリアル直属の軍が二分している様じゃ」


「結局、コボルト族の待遇は変わっていない訳ですか」


「ああ、皮肉にも大同盟を結束させる形になったがな」


 ファウストが付け加えた。


「おんのれ、コボルト族を何だと思うとる。ベリアル討つべし」


 ルクスが怒気を孕んだ声音で呟いた。


 リリウムを怖くした版みたいなコボルト族だなあ。気持ちは判るけどね。


 しかし、怖いお姉さんだ。いや、お祖母さんなんだけどね。

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