第171話 状況が掴めず帰還

「よくぞ……」


 グノーシスが若干青い表情で迎える。ルクスは少し怒気に満ちた声で「無事で何よりだよ」と言って来た。


「死の王はあのことを知らんだろうな」


 ファウストは語る。


 アラゴンはそれに応えて語る。


「だが、悪魔なら出来る。温和な悪魔で良かった。残忍な悪魔であればああは行かないでしょう」


「どういうこと?」


 僕は口を挟む。


 皆が皆一様に複雑な表情で僕を見つめる。


「確かに死の王は知らんかも知れん。だが、ベリアルは……」

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