第146話 危惧されること

「しかし、まずいことです」


 僕は発言した。


「僕達の歴史にも似た様な出来事がありますが、迫害を受けてきた民族が主流派になると過激派が増える傾向にあります」


「つまりどうなるのだ?」


「こんなことは言いたくはありませんが、コボルト族が世界の主導権を掌握した場合、他の種族をないがしろにする可能性があるということです。迫害と言うのはそれ程価値観に影響を与えてしまうものです。ドラグーン族も例外ではないでしょう」


「ふむ、それはまずいな。世界の修復から程遠い。そもそも古代世界への回帰を目指しておる訳だからな。我は大同盟を崩すのは危険なことと判断するが。問題は他の種族だ。お前らの率直な意見を訊きたい」


 アラゴンが語り始める。


「しかし、虚飾の神よ。向こうにはウリエル様の敵対勢力である悪魔がいるのであろう?」


「我々を結束させるとしたらそれだな」

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