第140話 こりない王

 ウリエルは構えを解いて後ろを向く。


「カハッ! ゴホッゴホッ!」


 喘いでいる虚飾の神は得体の知れないものを見つめる様に天使の背を睨んだ。


「ば、化け物か、お前……」


「うーん、てかげんしたよ」


 これは自信崩れるね。


 しかし、意外にも虚飾の神は。


「ククク、それでこそ天使だな。天使は慈悲のみにあらず、裁きも司る訳か。挑戦しがいがあるわ」


「こりないねー」


 ウリエルは肩をすくめる仕草を見せた。


 しかし、つくづく次元の違うことを思い知らされる一戦だ。四大天使の名は伊達ではないね。


 しかし、これは大分まずい事態じゃないだろうか。虚飾の神独りで死の王に立ち向かえるか疑問がもたげる。

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