第139話 嘘でしょ

「のう、ウリエル。修行しようじゃないか?」


「何で? アーサーがいるよー」


「五百年前は逃げられてしまったが決着を決めたいのだよ」


「味方なのに?」


「我は勝ち負けをはっきりさせておきたい。お前が我らの大将に相応しいかは我が決める」


 何と言う傲慢不遜な物言いだろう。


 仮にも相手は天使。アダムの末裔より上位に位置すると言うのに。


「いいよー」


 でも、当人はあっさり認めた。大丈夫なのかな? 


 決戦を控えているのに勝負なんかして。そもそもこの世界がもつのかな?


「では異世界に……」


 その瞬間ファウストの顔が急に青ざめ始めた。


 ウリエルは親指と人差し指を軽くつまむ形を取っている。


 嘘でしょう? あれ、フォース〇ョークじゃん。


「息もたないよね? こうさんする?」


 ファウストが絶望した眼差しで何かを訴える。

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