第137話 暴走するんだ……

「ああ、まずい。ここだけの話にしておけ。士気にも関わる問題だ。それにしても我はこれまで格下の相手としか戦ってこなかったのか……ふ、血がたぎるわ」


 やっぱり狂戦士だろう。


 この人は不利な状況に置かれても喜んでいる。


 戦闘狂だ。


 こちらから見れば、相手は天使に匹敵する力なのに。


「極小に過ぎない我らがどこまで死の王に通用するかな。ククク……」


 いかんよ、ファウスト。眼が血走っているよ。


 嗤いが怖い。今のこの人は悪魔みたいものだ。


「ファルマコ殿、前提を破らせて貰おう。死の王は我が一人で闘いたい。神の如き世界の住人と虚飾の神、どちらが強いか知らしめてくれようぞ」


 ああ、こういう道に行くのね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る