第136話 良く分からない話

「だいいちせかいの天使にはかてないよー」


「「第一世界?」」


 二人してオウム返しで尋ねる。


「そ、神様がちょくせつ創ったせかいなのー。それ以外のせかいはもしゃなのー」


「なるほど、そういう訳か。お前達程の存在すら第一世界の天使には及ばないと言う訳か……。となるとゲーテやこやつの『創り主』は第一世界に属する訳だ」


「それもせいかくじゃないねー」


「どう言うことだ?」


「だいいちせかいはもう大昔に消えているのー」


「つまり始まりの世界があった訳か……」


「どういうことですか? 僕には何が何やらさっぱり……」


「落ち着け。ゲーテのいた世界が第何世界か判らんが、我々の相手する死の王は一つ階級が上の世界の住人と言う訳だ」


「それってまずくないですか?」

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