第127話 邪過ぎて天使から引かれる

「城塞都市は聖域なのだ。あそこがルクスにとって一番戦闘力を発揮出来る」


 なるほど、グノーシスもその辺りを見越していたのだろう。強い兵力を最大限に活かすつもりの様だ。


 ならば、死の王は動かせるだろうか?


「ファルマコ殿、お前の考えはお見通しだ。包囲戦術を使いたい? 違うか?」


「その通りです。さすがドクトルの称号を持つだけありますね」


「舐めて貰っては困るな。我の時代にはもう包囲戦術は存在した」


「なら天から攻めるのはいかがでしょうか?」


「天とな?」


「位置エネルギーと運動エネルギーを利用して広範囲に敵勢力に打撃を与える戦法です」


「我の魔法を使ってか……ふむ、悪くない案だ。だが、最悪の場合大陸は滅却される恐れがあるがな。試しにドワーフの大砲を一つ借りて実験してみるか」


 ファウストはエルフと交渉している。ウリエルはあまり良くない顔色をしている。


「ファルマコ……ウリエルよりざんこくだよー」


 天使は残念な人を見る眼つきをしていた。

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