第126話 僕の邪な考え

 と言うことはだ、ルクス個人の戦力がいかに強大でもアダムの末裔にとって脅威にはなり得ない。


 アダムの末裔は戦争の知識を使う。それはこの世界のどの戦術より優れていると思える。


 グノーシスは城塞都市に集結して迎え撃つと考えているだろうが、僕だったら挟撃を狙う。


 いや、包囲戦術を選ぶ。


 ファウストの瞬間移動の力を利用して各地に均等な戦力を配備し、理想なら敵を窪地に追い込むのが良いと判断する。


「何だ。悪い顔をしているな。悪だくみをする人間の顔だぞ」


「いえ、どうすればより効率的に敵を殲滅させられるのか考えていましてね。ルクス卿は城塞都市から出られない理由があるのですか?」

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