第123話 神学のちょっとした知識

「魔法大隊の編成がもうすぐ終わるところでして、ご覧になられますか?」


「凄まじい技術ですね」


「これでも虚飾の神には到底太刀打ち出来ませんでした。戦乙女の助け位にはなったのではありますが」


「リリウムさんのお祖母さんってそんな凄いのですか?」


「ルクス程の腕前の持ち主なら我々を打ち破ることも出来るでしょう」


 何てこった、神の母マリアよ。これ程の文明をもってしても勝てないなんて。


 ちなみにキリストの母と呼ぶと神学的には異端になってしまうらしいので。清貧を主張したワルドー派がそれで異端の烙印を押されたのを何となく憶えていた。


 全く、神学は時に主題を疎かにして細かいところで言い争うのは良くないと思う。


 アッシジの聖フランチェスコが認められてリヨンの貧者が認められないとは。


 マルティン・ルターの様に恵みのみ、信仰のみ、聖書のみ、キリストのみ、神に栄光のみとかみたく語り合って欲しい。


 カトリックと正教会の問題も聖霊が父のみから発するか父と子から発するかで揉めていたなあ。気持ちは分かるけど、それで教会分裂するのは避けたかった。まあ、当時の教父は真剣そのものだから仕方ないと言えるのだけどね。


 僕も本題から逸れていた。今はエルフの文明力を深く洞察するべき時だ。

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