第114話 意外な人物

「おうおう、いたいた」


 突如声をかけられ、振り向くと意外な人物がいた。


「あれ、ファウスト卿? どうしてここに?」


「国民軍の編成も終わったし、魔法でパッと運んできた訳よ。でも、あれだな。グノーシスはエルフやドワーフ共も待つつもりらしいな。と言う訳で我は湯につかる。ファルマコ殿、付き合え」


 不遜な物言いだが、悪い人物ではない。結果的に世界を悪くした人物ではあるが。




「ふいー、天国、天国」


 ウリエルと同じ科白を吐いているところを見るとクリストティノスでもあるのだなあ。そう感じさせられる。


「ファルマコ殿の国には湯ぶねに浸かる習慣はあるのか? 我の生きた時代はペストがあってそう簡単に旅行も出来なかった。水も貴重だったからな。風呂に入ると言う概念はあまりなかった」


「僕の国は火山が多いので温泉地帯はいっぱいありましたね。僕の民族はローマ帝国も驚く位の温泉技術がありましたね」


「ほう、そんな国があったのか。まあ、お前は我より先の時代から来ているから我の知らん知識も多く持っているだろう」


「ドクトルの称号を持つ人物には及びませんよ」

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