第113話 チャーチル首相みたいな格言
「それもあります。ただ、出来れば争いたくないのが本音ですね」
「それを聴けて安心したわい。お主はマニ王の様にはならんな。死の王とも違う。お主自身の道を歩んでおる。安心せい、お主の兄弟同然の仲なんじゃろ? 事情があるに決まっとるわい。お主より立派なクリストティノスなら尚更な」
「ありがとうございます」
最大級の慰めだなあ。
僕には恐れがある。
相対した時、いかなる答えが返ってこようともメランコリアさんの味方でありたいと言う想い。
同時にウリエルやアーサー達を裏切りたくない想い。この二つが相反している心情。
僕の『造り主』は僕に違う道を歩ませる為に僕を楽観的に感情豊かな様に造ったらしいが、どうやらそうもいかないらしい。僕の根がそう訴えているのだ。
「まあ、まだメランコリアさんが死の王に決まった訳ではないですからね。楽観的に考えたいです」
「まあ、それも大切じゃよ。楽観主義は危機に打開を見出し、悲観主義は危機に悲劇を見出す。考え方一つとっても世界は広いじゃろ?」
「はい」
「今日一日位はゆったり過ごせ」
そう言って賢老はゆったり広間に向かってしまった。
おそらく、彼自身も覚悟を決めたのだろう。
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