第103話 死の王とは
「アダムの末裔を定期的にこの世界に呼んで均衡を戻そうとした訳ですか」
「うむ、元々学者肌であった我はこの世界の均衡の研究にのめり込んでな。ベリアルを放置してしまってな。それも悪かった。ベリアルは怒って別世界に行ってしまった」
つまり帰る手段を失くした訳だったのかあ。
「べリアスは見込みなしだったが、グノーシスは見込みありだった。だから造船技術は隠し、学術都市を交易都市にさせた。千年以上かけて世界の修復に取り組もうとしたらベリアルが現れてしまった」
嫌な予感がよぎる。
「まさか、死の王って……あり得ない」
「恋する悪魔を舐めるな。あやつらはな、恋した瞬間に世界を混沌に導く。自分の夫婦生活成就の為にな」
「うーん、ウリエルさんから訊いたベリアル像とちょっと違う気がしますね。寡黙な女性だって印象ですが」
「対価さえ払えば色々教えてくれるぞ」
「それでもメランコリアさんが堕落するとは思えない。彼は紳士的なクリストティノスですよ? 死の王なんて似合わない」
「その辺りは良く判らん。ただ、敬虔なクリストティノスを動かす何かがあったのだろうよ」
その何かが分からないから苦労しているのだけど。まあ、ぼやいても仕方ない。
「しかし、良く天使を相手にしましたね? その辺りも謎だったのですが」
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