第96話 問題が問題だった件について

「では、謎を出そう。この問いに答えられるかな。朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足の生き物とは何だ?」


「謎かけか。面白い。解き明かしてくれよう」


 しかし、いつまで経っても兵隊達はあーだこーだと言って答えがまとまらない。


 あれ? 簡単な問題なのだけど?


「すまん。我々は生まれながら戦士の教育は受けているのだが、こういうのは疎いのだ。もう少し優しい問題に変えてくれないか?」


 ええ、これも簡単な問題な筈だよ。


「では√25は?」


「ルート? どこかの道を通るのか?」


「平方根です」


「大根の一種か?」


「…………」


 兵隊達は動揺している。平方根は初等数学の筈だぞ? 


 どうなっているんだ? 王国って学校がないの?


「もっと分かりやすい問題はないのか?」


 兵長が尋ねてくる。


「零の零乗は?」


「分からん」


「…………」


 一って答えるだけで良いのに。


「最小の素数は?」


「そすうって何だ?」


 うーん、これも駄目か。


「くく」


「おお、これは学校で習ったことあるぞ。八十一だな」


「正解……」


 騎馬兵達はホッとしている。そりゃ、そうだろう。この問題に答えられなかったらどうしようかと思っていたよ。

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