第89話 危険性
「はい?」
「こちらの話なのであまりお気にせず。それより美味しいものを召し上がって下さい」
アダムの末裔だから何でもその通りだと判断されてしまうことに危険性を感じる時がある。
賢老が言っていたことを思い出す。
虚飾の神がアダムの末裔だったのではないか、と言う禁断の説。あり得ない話ではない。エルフですらこうも簡単に従順にさせてしまうなら虚飾の神も又アダムの末裔たる可能性があった。
問題はどんな人物かだっただが。真正のクリスチャンではあるまい。クリスチャンであればコボルト族の味方をした筈だ。
五百年前のゴブリンの生活具合を知れば糸口になるかも知れない。
こんなこともあろうかと賢老に歴史書と価格表の辞典を借りておいて良かった。
ポンと肩を叩かれたと思ったらウリエルがそこにいた。
「くんれん」
「あ、や、やるの? 本当に?」
幼女は天使の微笑みで頷いた。
それが何だか僕には悪魔の微笑みにも見えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます