第84話 アーサーの実力
「良いのですか? 師匠? 僕なんかに任せてしまって」
「君はもう少し自分に自信を持ちなさい。君は僕より優れている。特に武芸に至ってはね」
「では」
アーサーが構える。
エルフはすかさず氷の矢を数十形成し、ドワーフは巨大な斧を振りかぶった。
アーサーはまずドワーフに狙いを定め、拳を繰り出した。カウンターの形で心臓を叩いた。
これで身体の機能は一時麻痺する筈。次の瞬間、縮地でエルフの間合いに入り、拳で顎を軽く揺らした。エルフも一時麻痺。
さて、決着はもう誰でも判る。
「お判りですね。あなたがたが勝てないなら我が一番弟子を打ち負かした後の死の王を止められる道理もなく、あなたがたは滅びるだけです。これで分からないなら勝手に自滅して下さい」
「……承知しました」
「……まあ、勝ったもんが言うからにはなあ」
二人とも不承不承ながらも現状を正しく理解して納得はしてくれた様子だ。
ああ、良かった。これで逆切れでもされようならどうしようかと思った。あんまりアダムの末裔の権威を振りかざすのって良くない気もするし。
かと言ってウリエルに任せていたら国そのものを滅ぼしちゃいそうだし。
それにしてもアーサーは強いなあ。リリウムより強い。本気出したら大岩位砕いたりしてね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます