第74話 僕の傲慢
「確かに人間は神の写し身と呼ばれるけど、だからと言って皆が皆優れている訳じゃないよ。僕は語彙力に問題があって会話が成立しないことも多々あるし、人より秀でているのはクリストティノスとしての知識位なもので」
「でも、師匠はその知識には自信ありげに見えますけど」
「まあね、学びも十年を超えるとちょっと特殊なものになるんだ。でも、アーサー、君は僕のようになっちゃ駄目だよ。僕のそれは傲慢とも言えるんだ」
「傲慢ですか……」
「時々、錯覚するんだ。自分は生まれる場所を間違えたんだって。でも、そんなことはなくて神様がお決めになったことに不平を述べているだけなんだ」
「傲慢ですか」
「そ、『足ることを知れ』だよ。卑小な自分が分を弁えない高みを目指しているだけなんだ」
まあ、そう言う人物を覇道の兆しを表していると評する凄いキャラクターもいたけど、あのキャラクターは人気あったからなあ。暗いストーリーの中で明るい太陽みたいなキャラクターだったなあ。
「まあ、アーサーは高みを目指しても大丈夫そうだけどね」
「僕が、ですか?」
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