第67話 番いと勘違いされる
「ふいー、てんごくてんごく」
そこは極楽じゃないのか。さすが天使だ。
風呂に入っているウリエルを見て思わず身体を見てしまう。水着を付けても判る位に体型が良いよなあ。
さすがロリータだ。他の人が見たら誘蛾灯に群がる蛾の様にウリエルに触りたくなるだろう。
だが、触れない。心の汚れた者は触れないのだ。
「お主ら、やっぱり番いじゃなあ」
「ワッ! グ、グノーシス卿ですか……驚かせないで下さいよ。どうしてこんな郊外の温泉に?」
「ここは疲労回復にええ場所じゃ、言ったじゃろう。宿は取っておいたと。わしが辺鄙な温泉を案内すると思うたか? ここは知る人ぞ知る秘湯じゃ。存分に楽しめい。ところで本当に番いじゃないのか?」
「違います。大体ウリエルさんには神という伴侶がいます」
「神秘の婚姻という奴じゃな。昔、訊いたことがある」
「クリストティノスなら大体そうであるかと」
「ふむ、不思議な関係じゃな。神と人は婚姻関係にあるということかの?」
「正確には人は信仰を婚約指輪として捧げ、神はその代わりに人の罪を全て担うという関係です。僕達の世界では五百年前に理論が確立しました。尤も教え自体は千年以上前から伝わっていましたが」
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