第66話 子を見守る様な母の如き幼女

「そうですねー。どこかの良い天使さんと違って腹黒いですからねえ」


 銀の匙を突き付けてウリエルは語る。


「いい? いつかはかたるよー。でも、まだ時じゃないの。ファルマコは急ぎすぎだよう」


 若干呆れた幼女がそこにはいた。


「いつもやられてばかりだからね。たまにやられる気分はどう?」


「さいあくだよう」


 そう言いつつも幼女の顔は微笑みに満ちている。幼女なのにまるで僕の保護者だな。僕の成長を喜んでくれている様な気がする。


「さあ、お風呂に入り直してきますか」


「ウリエルもいくー」


「はいはい、別風呂ね」


 変な誤解が生まれたら大変だから先にくぎを刺しておく。


「いやー、いっしょに入る」


 珍しいなあ。一緒にいるけど共に風呂に入るのは初めてだ。だが。


「だったら水着を付けなさい。それが最低条件」


「わかった」


 でないと僕は地獄直行だからなあ。

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