第61話 新しい依頼
「お祖母ちゃんは学長が切符を持っているみたいなことを言っていましたよ」
「ああ、確かに持っとる。じゃが、代わりと言っては何だが」
「分かりましたよ。依頼を引き受ければ良いのでしょう?」
「話が早くて助かるわい」
賢老は懐から小さな玉を取り出した。虹色に輝くその玉は綺麗な印象を与えるものだった。
「平和の象徴ですかね?」
そう訊ねると賢老は笑った。
「流石は本家本元のクリストティノスじゃな。神の知識をしっかり蓄えておるわい」
虹はノアの物語で最後に出て来るものだ。神が再び洪水で人間を滅ぼさないと約束した証だ。
つまり平和の象徴なのだ。
「これは通行証じゃ。番人に見せればすぐに判る」
「ほれ」と言って投げ渡してくる賢老。こんな重要なものをこんな扱いで良いの?
「今日は遅くなるから宿をとってある。良い宿じゃ。温泉もある。ウリエル用に蜂蜜のチーズ焼きも用意しておる」
「わーい、ごうせいだー」
ウリエルははしゃいでいた。
「ありがとうございます。そこまでして頂いた以上、依頼は果たす様に最善を尽くします」
「うむ、頼むぞ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます