第60話 隠れ里に向かうことが決まる

「はあ、判ったよ。話せないなら良いよ」


 試験的世界のジレンマがあるのか。それはよく分からない。ただ、判るのは五百年前から続いている何かがあるということだ。


 何故、急にアダムの末裔が現れる様になったのか。この矛盾。


「まあ、ヒント位くれてもええじゃろうに」


「うーん、かくれざとにいく?」


「岩の賢者殿が何か知っているという訳か」


「岩の賢者?」


 聞きなれない単語におうむ返しで尋ねる。


「ほれ、この世界は動物も喋っておったじゃろう。岩も喋れるもんがおるんじゃ。それも神代の時代からの生き証人じゃからなあ」


「隠れ里というのは?」


「ルクスお祖母ちゃんが言っていた里です。ファルマコさん」


 リリウムが説明する。


 神代の時代から平和主義を掲げる者達で造った里でコボルト族とゴブリンが共存しているらしい。


 恋愛の流行りが凄くて密かに有名とのこと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る