第59話 ますます深まる謎

「まあ、それより今は死の王対策なのでしょう?」


「おお、そうじゃったな。引き受けてくれるかいの?」


「グノーシス卿、一つお尋ねしたいのですが」


「わしに答えられることなら」


「士師が死の王を倒すと思いますか?」


 皆の視線がアーサーに集まる。


「士師か。堕落した民族を救う神に選ばれた者と伝えられておるな。タイミングが良すぎてわしも疑っている。お主、古代都市に行ったから聴いておろうが、この世界は試験的世界じゃ」


「ええ、だからこそ」


 二人してウリエルを見詰める。


「まあまあー、そんな深くかんがえない」


 ウリエルはかわそうとしているが、こちらとして命に関わる事態だ。


「ウリエルさん」


 少し真剣味のこもった声で語りかける。


「ウリエルさんの言っていることとやっていることは矛盾しているよね? 僕ももっと早く気付くべきだった」


「そうだねー、そこに気付いただけでもすごいよー。でも、答えはまだいえないのー」


「何故?」


「ぜんていがくつがえっちゃうからねー」


 つまりこれまでの説明を根本から揺るがす事実が未だあるということだ。

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