第58話 疑惑
「具体的にアダムの末裔はどんなものをこの世界にもたらしたのですか?」
「この大学都市に至っては時計塔じゃな。あんな高度なものはわしらの手に余る。一応、手入れの仕方だけ教えて去って行ったが。後、建築技術なんかも大体アダムの末裔がもたらした技術を使っておる」
おいおい、かなりこの世界に干渉しているよ。試験的世界と言うのは本当かな?
「丁度、五百年前程からこの世界において出現が多くなったのじゃよ。詳しい理由は判らんがな」
五百年前というとマルティン・ルターの宗教改革があった時代じゃないか。
欧州諸国が混沌とした時代だ。プロテスタント誕生の時代でもある。
「ファルマコ殿、虚飾の神が実はアダムの末裔だったという仮説が存在するのは知っとるかね?」
「いいえ、何も」
「あれほど洗練された制度がゴブリン族だけで創り上げるのは無理があると考えておる。わし個人はな。ましてや天使と敵対出来るともなれば」
「なるほど、変装ですか」
「子孫も残さなかったことからそういう仮説も存在する。まあ、禁断の学説扱いじゃがな」
五百年前ねえ。その時期に何かの変化が起きたと仮定しよう。それが結果、虚飾の神の台頭につながった。
うーん、情報が少な過ぎて仮定の域を出ないなあ。
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