第50話 大学都市、凄いところだ
そうこうしている内に大学都市が見えてきた。
「おお、凄い」
遠めが見ても建物の水準の高さとか感じさせる。ビッグベンを思わせる様な時計塔もある。
ソドムは華美が目立ったがこちらは優雅さが目立つ。煉瓦で出来た建物が幾つも立ち並んでおり、どちらかというとこちらの方が生活感とかあって好ましい。
近づくにつれ、香ばしい匂いが漂ってきた。
「焼いた豚肉の匂い?」
「学術都市は養豚が盛んなんです。大昔の偉い研究者さんが勉強して火を通した豚肉は健康に良いと証明されましたので」
アーサーがウキウキした表情で答える。なるほど、食べ盛りだからな。着いたらたらふく食べて貰おうかな。アーサーなら世渡り上手そうだし、問題ないだろう。
「甘藷の栽培も盛んらしいですね」
リリウムもウキウキして喋る。なるほど、乙女らしく甘いものに弱いんだな。
にしても凄いなあ。建築技術もソドムと遜色ない。とある小説に出て来る学園都市みたいだ。
まあ、都市と言える程、規模は大きくないし、技術力もそこまでではないけど。中央に大きな建物が見える。
「あれが大学かな?」
「グノーシス大学ですね。知識を研究する議会でもあり、立法府でもあり、司法機関です」
アーサーが目を輝かせて語った。
「三権分立はしていないのか?」
「三権分立って何ですか?」
「要するに三つの機関が独立していること」
「さあ、そこまでは。何分、学長の権限が強いらしいので」
なるほど、民主主義は採用されているが王権神授説も採用されているらしい。
まあ、あの賢老なら上手くやれているのだろうね。僕より頭良さそうだったし。
「じゃあ、ご飯にしますかね」
「「「「はーい!」」」」
気付いたらウリエルだけ蚊帳の外だった。
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