第47話 ウリエルさんとの関係を問い質される

「ところで、お主はウリエルの伴侶か?」


「ブッ、ゲホゲホ、いきなり何を……」


「いや、違うのか?」


「身体さえ触らせてくれませんよ」


「ははーん、お主が罪塗れだからじゃな。じゃが、あの草、荷台で運べる量をとうに超えとる。ウリエルに出して貰ったんじゃろ?」


「まあ、そうですが……」


「良いのう、青春はいつになっても良いものじゃ」


 何を言っているんだ? ウリエルは触れることさえ出来ないんだ。青春もへったくれもないね。


「お主、恋愛経験少ないじゃろう?」


「まあ、色恋沙汰には疎いです」


「身体だけが恋愛じゃないんじゃよ」


「よく判らないです。ウリエルさんの心は」


「アダムの末裔だからって理由でここまで草を出すと思うかえ?」


「うーん、どうでしょう? 蜂蜜を対価にしているからなあ」


 今頃、荷台で蜂蜜を貪っている様が容易に想像出来る。ついでにチーズの在庫も凄い勢いで減っている予感がする。


「ああ、そうか、お主はこの世界の基準を知らんものな」


 基準か。そういえば知らない。この世界で金はどれ位価値のあるものか知らない。


 元いた世界でも古代では金より鉄や銀の方が高価だったと聴いている。鉄が発明された時代では鉄の価値は金の十倍にもあたる。いやそれ以上かも知れない。銀もスペインが新大陸を発見するまで高価な金属だった。


「大学都市には値段の比較表の様なものは置いてありますか?」


「勿論、ある。経済には欠かせんからな」


「勉強してみますよ」

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