第34話 テラリャンピンって何だ?

 そこでウリエルが口を挟む。

 

「んーん、テラリャンピンでおねがいなの」


「テラリャンピン?」


「せんてんがいっちょうなの」


 大祭司の顔色が変わった。困惑している。こっちも困惑している。何を考えているんだ? 一兆、そんな金ないよ。


「それに見合う対価はあるのですか?」


「負けたらファルマコがどれいになるの」


 おい、どさくさに紛れて何とんでもないこと言っているんだ、このロリ天使は。


「失礼ですが、裕福な商人でも対価には程遠い」


「アダムのまつえいでも?」


 大祭司の眼が見開く。ウリエルが変装を解いてしまった様子だ。


「アダムの末裔……我々の敵対する神の写し身ですな。滅多にお目にかかれないものが見れましたな。アダムの末裔を奴隷にしても?」


「いいよー」


 何か勝手に話が進められていくんだけど。ていうか、奴隷になったら生きていく自信がないのだけど。


「良いでしょう。では、天上卓を!」


 参加者は僕、ウリエル、大祭司、孫娘の四人で決まった。大祭司が賽を振って親が自分になった。初っ端から運が悪い。最初に親ということはオーラスで逆転の芽が摘まれる可能性が高い。


 もしかしてこの大祭司わざとやったか? うーん、達人級なら出す目の調整なんて簡単に出来るしなあ。心の中でぼやいても始まらない。

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