第25話 古代都市へ
ウリエルは無邪気に木々に話しかける。木々はざわめきを以て答える。何を言っているのか解らないが多分知り合いなんだろうな。木々の枝が伸び、葉がクッションとなって僕達をバケツリレーみたく運んでくれる。
「うわーい」
ウリエルは楽しそうだ。て言うか、僕が触れようとすると光速で避ける癖にツリーウォークは大丈夫なんだね。
心の中で何かが少し焦げ付いた様な気がした。それが何なのかはよく解らない感情だが。
暫くして一際巨大な巨木の前に連れて来られた。その背後には古代都市が眼前に広がっている。
妙だな。古代都市で廃墟なのにそれ程風化した後が見られない。これだけ整備されているなら誰か住んでいてもおかしくなさそうなものだが。
「アダムの末裔や、ようこそ来て下さった。わしの名はミソロギア。こんな老いぼれじゃが、一応、神代の時代から生きている枯れ木じゃよ」
「やっほー、ミソロギア、おひさしぶりー」
「これはこれはウリエル卿もお越しとは随分なことですな。五百年前の戦争以来ですな」
戦争? 何のことだ?
「旧知の仲を温めているところに申し訳ございません。今日の寝床としてこの古代都市を使わせて頂きたいのですが」
「おお、構わんよ。今夜は蜂蜜のスープを振舞うかのう」
「やったー」
ウリエルは嬉しそうだ。
しかし、謎の多い都市だ。そもそも神代って何時の時代だ?
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