第22話 虚飾の都へ

「ではコボルトの城塞都市を目指されますか?」


「いや」


 それでは何の解決にもならない。この世界においてコボルト族は少数派でゴブリン族は多数派だ。たとえ、城塞都市に籠ったとしてもそう何世紀も持つまい。この女の子達が知るべきなのは敵の全容なのだ。


「リリウムさん、ここから一番近いゴブリンの都市って何処にあるのですか?」


「虚飾の神の都ソドムがここから近いです」


 虚飾の神ねえ、確か昔メランコリアさんに聞いたことがある。七つの大罪と呼ばれる罪の感情があったのは元々僕も知っていた。


 だが、その前は八つの枢要罪と呼ばれていたらしい。その中で虚飾と言う言葉があり、虚飾を司るのはベリアルであると教えてくれたのはメランコリアさんだ。


 メランコリアさんが来る前にこの世界の問題を片付けないと又ソルジャーとして会ってしまうことになる。あの和やかだったメランコリアさんともう一度会う為にはこの世界の何かを掴まなくてはならない。 


 虚飾の神の都。もしかしたらそこに重大なヒントが隠れているかも知れないのだ。


 問題はだ。リリウムさん達をどうするかだ。彼女は巫女であるし、コボルト族の最高指導者と言って差し支えないだろう。強く強かであろうとする彼女らを連れていってよいものか。


「リリウムさん、ちょっと聞きたいのだけど」


 この世界の仕組みについて再確認しなければならないことがある。

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