第14話 メランコリアさん、急変する!
一週間経つのは早い。今日もウリエルを連れて教会に行くのだが、気持ちが落ち着かない。メランコリアさんとどう話せば良いか判らないからだ。
だが、今回も予想を裏切られる。
メランコリアさん、何か違う! なんて言うか、和み系だった穏やかな表情が若干戦士の表情になっているんだけど! それにあんなに筋肉質だったかなあ? て言うか、何故腰に帯剣しているんだ?
しかも今回も誰も突っ込まないと言う驚愕の事実!
余りの気まずさに今回も会釈だけして早々に家に帰る。
「ベリアル! あいつ、メランコリアさんに何をしやがった!」
帰宅早々僕は久しく吠え、ウリエルを問い詰める。
「まあまあ」
ウリエルはのんびり蜂蜜ミルクを啜っている。これはもう定例なので一々突っ込むのは止めだ。
それより問題はだ。
「な、何でメランコリアさんがソルジャーみたいになっているんだよ……」
アメリカンソルジャーなのかロシアンソルジャーなのかは判別出来ない。
唯、僕に判ることは一つ。
ソルジャーだ。歴戦の兵士そのものだ。それだけは辛うじて判る!
「いせかいにいったの」
「い、異世界?」
ウリエルが突然耳慣れない言葉を口にする。
「そ、そんなことはどうでもいいの! ウリエルさん! メランコリアさんを元に戻してよ!」
「うーん、ちょっとルールいはんになっちゃうねー」
「うん、どういうこと?」
「メランコリアさん、戻したいんでしょー」
「ま、まあ」
「じゃあ、じかんそこうするしかないよぉ」
時間遡行、つまりタイムトラベルか。
「つまり、あれだね。メランコリアさんが異世界に行く前に止めると」
しかし、ウリエルは首を横に振った。
「ざんねんだけど、はいぶんりつをかえるのはむりなの。神様がきめたことだから」
「えっ? 配分律?」
何だ、その言葉は。聞いたこともない。しかし、何か重要な鍵の様な気もする。
しかし、今はそんなことに時間をかまけている余裕はない。一刻も早くメランコリアさんを助けないと。
「じゃあ、どうするの?」
「ファルマコもいせかいにいってしめいをはたすのー」
目の前の光景が急に楕円状に歪んでいく。
意識が急に飛んでいく。
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