第16話 秋冷
「秋冷」
夕暮れが追いかけてくる
思い出に苛まれて
寂しい秋を思い知らされる
僕が僕であるために
たそがれを追いかけている
思い出を焼却しきれなくて
悲しい夜に押しつぶされる
僕が僕であることで
秋の旅は夕暮れの旅
見知らぬ町に夜が迫る
小さな街灯だけが灯っている
人々は何をしている
人々はどこにいる
僕が僕になるために
秋の色 詩川貴彦 @zougekaigan
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