第2話 私といると相手の方が幸せにならない

急にこどもができたものだから、

理学療法士の資格をとり病院に就職したばかりの旦那は自分の稼いだお金を全額好きに使ったのはたったの一度きりだったと思う。

たしか初任給を親の為につかったり、貯金したり、

奨学金の返済の為にとっておいたりだっただろうか。

それでも満足に自分の為につかったとは言えないとは私は思う。


2回目のお給料からは家族の為に使わなければならなくて、彼は今まで独身貴族という生活を体験した事はなかった。

大学生時代の時には

研修先で研修生に対して八つ当たりやイジメが当たり前のところがほとんどだったため、旦那は精神的にも肉体的にも疲弊しながらも頑張っていたのは知っていた。


就職一年目はとにかくきつそうだった。


当時そんな彼を見ているにもかかわらず、

私は大きいお腹を抱えてろくに家事をせずに

ぐーたらしていた。

彼に対して感謝というかそういうものはなく、

家庭に入ったら当たり前みたいな事を思っていた。

自分は家の事をしてないのにそんな事を思ってしまう矛盾や反省を感じる事は実はほんの少しはあった。

今でもよく思うが

家庭に入った女はどうしてあんなに家の用事に対して熱心なのか。

拭き掃除やら、洗濯やら、栄養バランスの整った食事を毎食作ったりやら。

そんな事を続けられるのが素直に凄いと思っている。


一日たいした用事もないくせに

最低限にやるくらい、必要に迫られる分しかやろうと思わないのか。

それで旦那と何度も喧嘩した。

なんでなんだよ!なんでしようとしないんだよ!

と言われても私はわからない。

自分の中で

世間で言われているやって当たり前な家事の仕事内容を思い浮かべては

自分の感想としては

「一般的にやるべき事だとは認識してるけどそれって自分の中で必要に迫られた事じゃないから動こうと思わないんじゃなくて思えないから行動できない」

言語化したつもりだけどうまく表現できないがこれに近いと思っている。


そんな私と一緒にいる旦那は大変だろう。

一日どこにいても気が休まらないし、

こどもが産まれてからも気苦労多かっただろう。


私はそんな事まで気にしてあげる事はなかった。

高校1年生から付き合っていて私の一人暮らしのヤバい部屋を見ていたわけだし、人として難点ありまくりな自分を振らずに結婚を匂わせてきたこともあったのだからそれは受け止めて当然だし、何度か別れる機会を与えたのにもかかわらず、

それを拒んで最終的に家族になったんだ。

怒るのはわかっていたつもりだけど

なんでできないんだ!と当たり前のように言われても内心意味がわからないし、できない自分が一方的に責められてるのは嫌だった。

下品だが

だったらあの時妊娠しても後に一緒になるからいいってことじゃなかったのか?と思ったりした。

相手に対して不信感ばかりつのってしまっていた。

彼の日頃の頑張りだとか思いやりだとかを感じて感謝するとか、褒めるとか当時の自分はそんなことをしてあげようとかまったくそんな気持ちにならなかった。


そのせいなのか旦那はゲス不倫をして複数の女の子に対して避妊せず逃亡などの行動に走ってしまうわけだがそれはまた今度にしたい。


自分が昔から厳しい環境にいると自分も周りも何もいいことがなく、動かないことや周りに守ってもらう環境のほうがむしろ、

自分の人生としてうまくいっていると思っている。

全部とは言えないけどほとんど自分の場合はそう言える。

学生時代に人の真似をしなくちゃと気づいてからが地獄だった。

仕事や対人関係とか一生懸命になるだけ自分が求めていたものが離れていくし、気づけばこんなはずじゃなかったと絶望して後悔する。

そもそも私が関わるほうが間違っているし、

自分だけで解決できることぐらいしか関わらないようにしたいと願っている。


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