第2話 可不思議な感覚

 僕は僕の元いた距離から結構歩いている………と疑って錯覚してひまうのは一体なぜなのだろうか。


 少年は疲労困憊状態を満たしていた。前までは無敵状態のような感覚も薄れてきており次第に視界が汗で染みる。周りの背景が同じばかりか、本当に進んでいるのか疑心暗鬼に陥る。


 実は進んでいないんじゃないか?


 そんな、世にも奇妙な現象を自覚してしまうと足が泥の中に沈んでいくような感覚がしてしまいそうで、今までそのような出来事を考えないようにした。


 事実、そんな最悪な自体を考えたくなかっただけかもしれない。 


 そんな根拠も事実もあるかもわからず、ひたすらと樹木の中を歩く。


 足がもつれる―


 呼吸が著しく激しくなる――


 意識朦朧とし、足が次第におぼつかなくなるのを耐えるために舌を噛み、痛みで耐えようとした時―――、


 「ひ……、かり……?」


 樹木が立ち並ぶ中に、一種の光を見た、気がした。それも僅かな光。目を凝らさなければ見えぬほどの光。だが、そんな些細な変化に喜びで踊り狂いそうだ。


 僕はその一点照らす光を凝視した。それは、樹木が立ち並ぶ中、隙間に光が差し込むような構図。


 「何かがあるなら行くしかない」


 僕は、その光に向かって突き進む。特に根拠はなかったが、このまま何もないよりマシだ、と元からそれ以外の選択肢がないことを再確認し、行かざるを得なかった。


 そして僕は光に向かって、近づく。次第に近づくにつれ、周りの気温が上がっていく―、ような感覚がした。さっきまで、少し肌寒い、いや、何も着ていなかっただけかもしれないが、それでも、実体温でわかるほど。


 少年は光の前に立つ。


 やはり、周りの気温が上がっているのは気のせいではなかったらしい。ここだけ、温かく、包容力とういう一種の考えが横を通り過ぎる。


 光に向かって突き進む。光の道筋のように一つの道が見えた。道は石レンガのようなものでできており、細く子供サイズのような大きさで作られているようなものだった。だが、今はそんなを考える余裕などなかった。


意識が朦朧としているので、前に進むしかないと改めて決意する。


 僕はそんなたった一本道を歩く。樹木に囲まれながらも、この道は樹木に負けないよう程の、強い存在感を放っていた。


 行先道は光の眩しさで照らされていて、何も見えない不安感はあるが、その不安を耐えるように進む。


 そこで。


 突然といきなり。


 



 強い睡魔が襲ってくる。意識が朦朧している分、睡魔が襲えば、一発だろう。僕はついと両膝を折り、そのまま暗黒の中に溶けていくのだった―――







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