森の中でさまよう少年、そこにあったのはファンタジーな世界だった

ポタいち

第1話 僕は迷っている

 僕は周りを見渡せば、森の中にいた。正面方向も後ろを振り向いても、木々がそびえ立つ。私は一種の恐怖を覚えたことより、自分の現在位置、ここがどこなのかが、先に好奇心が勝ったのが事実である。


 周りの木々も、ただの普通の木々だけではない。とても大きいのだ。太さなど、規格外で木とういう表現よりも「1000年とういう年月をかけた樹木」のほうが納得できるほどである。


 そして、その僕はその樹木に囲まれた中で立っている。


 「周りを見渡したくても、大きすぎる樹木が視界を邪魔するし、遠くを見渡しても、霧がかってて、何も見えない。………八方塞がりじゃないか……」


 だが、不謹慎なのか不思議とそこには恐怖が一切なかった。自分の感覚が麻痺しているだけとも言えるが、年相応なのだろう、自分でも不思議に駆け巡る。ちなみに記憶がおぼろげなので年齢不詳である。


 とりあえず記憶を整理する。ここまで来た記憶などない。ましてや、自分はどんな生き方をしてきたのかすら疑問に思う。


 何も思い出せないのだ。


 自分の体を見渡していけば、服など着ていなく、自分の裸体をさらしていた。どこにも人の気配がないので、羞恥心など湧き出ない。


 「服がないから、大きな葉っぱでも見つけて、腰にでも巻いておこう」


 幸い、樹木が大きい、葉っぱも大きいとういう考えに至ったのはいささか説明不足だが、そのことについてかけるしかない。もちろん馬鹿みたいにデカいので届くはずがなく早々に諦める。


 僕は樹木の大きな根本を避けながら、歩き進む。当然、視野が悪いので、自分はどこの方向に進んでいるのかわからない。ただ、身にまかせて、進めばいいと思った。どうせ、道が分からないなら空けた場所を探そう、という運命に任せて。


 歩き続けるも不思議と空腹感を感じないので、休憩を挟まずに歩みを進める。


 





 少年は深い森に入ろうとしていることも知らずに――――













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