第2話 えろはこっち

 大事なこと忘れてた。

 えろ案件はページを分けなきゃいけませんね。ということでえろ関係はこっち。

 このページは特にわざと読みにくく書きます。


 そもそもなぜ性描写に規制が必要なのかというと、

①リアルとファンタジーの境目がとても曖昧であること

②直接的に命に関わること

③一歩間違えばあなたが無意識の加害者、もしくは被害者になりうる可能性がとても高いものであること

④極端な依存性があること

っていうのがあると思うんすよね。

 大多数のひとが自覚ないとは思うけれども。

 わたしはえろ字書きだけれども、いや逆に女性えろ字書きだからこそ、創作に関わる性に対する問題については真面目に向き合わないといけないと思っているんざます。

 書くひとも読むひとも、男性も女性も、なにがリアルでなにがファンタジーかを正しく理解していてほしい。そのうえで楽しんでもらいたい。

 わたしのようなあけすけなおばはんにはもはや大した問題はないけれども、男性が理解しえない被害が起きるのは若い女性、慣れない女性が圧倒的に多い。程度も人数も男性の比じゃない。

 AVを教科書にしている男性には声を大にして言いたい。それはファンタジーである、と。んなことわかっとるわと言われそうだけれども、果たして本当にわかっているだろうか。

 女性のおよそ7割はイクという感覚をそもそも知らない。でもイケない自分が悪いと思って演技をする。これが大半。実際はイクことのできる女性のほうが圧倒的に少ない。

 女性の体はイクことを目的とした性的快楽を求めているわけではないので、もともとがそういう構造だから、イクがわからなくても普通なんだけれども、男性のゴールがイクだから両者とも無意識にわかりやすいそれを目的としがちなんすよね。これがファンタジー。

 これは男性も女性も勘違いしていることだから、男性にもきちんと理解していてほしい反面、女性にも「変じゃないんだ」ということを理解して安心してもらいたい。

 女性がイクには心身ともに最大限リラックスした状態であることが大前提だけれども、それでも全員がイケるわけではないのだ。そしてリラックスできるかどうかは相手の男性にかかってる。

 女性が性的快楽を拾うには、実際にはまず体温を上げる必要がある。抱き合って男性の体温を移すなり、酒の力を借りるなりなんなりして女性の体温をあげることが必要。女性が酔うと感じやすくなるのはこれが理由。体温が上がるから。

 そして相手に対する信頼がないとリラックスには結びつかない。酩酊した状態で体をリラックスさせるのは強姦である。

 だから、AVや漫画や小説や痴漢のようにいきなり胸や局部に触っても女性は気持ちよくはならない。これがファンタジー。あれは女優さんの優れた技術が詰まった名演技である。

 体温を上げないまま突然局部を触られて感じるのは快感ではなくて嫌悪感。不快感。「悲しい」「なにしてんだこいつ」「わたし今オナニーの道具にされてるわ」「ひとりで盛り上がって楽しそうねー」「置いてけぼり感すごい」「早く終わってくれないかな」「ナタで削ぎ落とすぞ糞が」などなどがほとんどである。でも大体の女性は表には出さない。

 あと「痛い」って言えないひともとても多い。わたしは言うけど。

 なかで指やらなんやらを激しく動かされると痛いのだ。よほどしっかり濡れていないと擦れるから傷がつく。胸も強い刺激をされると痛い。殴りたくなるくらいの程度で痛い。

 どんな痛さか、どれくらいの痛さか、どう表現すればわかりやすいだろうかと考えたけど、多分これが一番的確かと思う。HBの鉛筆3本を全部鋭利に削ってセロハンテープでまとめて固定したうえで、それをノーワセリンでケツの穴のなかに入れてみてほしい。それ。その今想像したやつが、女の子がいつも思ってる「痛い」である。

 女性の大半はその「痛い」を我慢する。なぜなら

・好きな人を傷つけたくないから。

・我慢しようと思えばできないこともないから。

・それが普通だと思ってるから。

・素直に「痛い」と言ってそのあとのフォローや対応が面倒だから。

・痛いからこそ早く終わってもらいたいから。

・もし機嫌を損ねてもっと暴力的な行為に出られたら怖いから。

 いろんな理由があって言わない。

 セックスは女性への負担が、自分が想像するよりも遥かに大きいことを男女ともに理解しないといけない。

 どんなシチュエーションであれ、ドエス嬢だろうが女王様だろうが攻め嬢だろうが、体が女性である以上は「入れられる」立場であることは変わらないわけで、そして男女には体力差がある。

 女性が男性を殴った場合と、男性が女性を殴った場合では受ける被害が違う。そもそも殴ったらいけないんだけど。男性に加減なく殴られると女性は内臓が破裂したりする。筋肉量と脂肪量が違うから。自分はそんなことはしないと思うかもしれないが、女性は体の構造が受け身であるからこそそういう危険は無意識にでも常につきまとう。

 だから女性がセックスにおいて一番求めるのは快楽ではなくて「安心感」になる。これを理解しないひとも本当に多い。信頼して体を預けることができる「関係性」が、セックスにおける女性にとっての最も必要なものなのである。これがリアル。これがないと「痛い」と言えない。気持ちよくなることができない。ここが決定的な男女差である。

 だからこそ男性向けのエロは直接的な行為そのものがメインになってるものが比較的多く、女性向けのものにはその前提となるストーリーがついてるものが多く、女性の描くBLものを男性が読むと違和感を覚えるのだ。

 ひとの趣味趣向はそれぞれなので、強姦ものだろうが痴漢ものだろうが他のどんなものでも、わたし個人としては読むなとも書くなとも言わないし、頭のなかのことで済むならそれでいいと思う。頭のなかは誰だって自由だ。

 ただ、読むひとも書くひとも、それをファンタジーであると理解したうえで楽しんでほしいのだ。

 そうでなければまずい。それを理解しないやつが無意識の性犯罪に関わってしまう。だから性描写には規制が必要なのだ。

 性行為っていうものには、ときに理性では抗えないほどの興奮状態がともなう。それ自体は悪いことでもなんでもなくて、普通のことだ。でもそんな状態になったときに冷静な判断ができるやつは男女ともにそうそういない。そしてそういう興奮状態に陥りやすいのは人生経験の浅い若者のほうが多い。だから規制が必要。

 異世界ファンタジーとエロにおけるファンタジーは違う。異世界にはどうやったって行けないが、エロにおけるファンタジーはすぐ傍に実在する。だから規制が必要。そのファンタジーはひとを傷つけるからね。それを理解したうえで書いてほしい。読んでほしい。楽しんでほしい。

 「責任取るから生でさせてほしい」。きみが言う責任とはなんだ。わたしが言う責任とは「お前が生んでお前が育てるんだよな」だ。不可能だから、軽々しく「責任取るから」とは言ってはいけないし、女の子はそんな言葉を信じてはいけない。

 反対に、女の子は「ああしてほしい、こうしてほしい」ともっと言えるようになるといいと思う。別に恥ずかしいことでもないし、はしたないことでもない。男の子は明確に言わないと理解しないし。男の子がそれを受け入れてくれる関係であることが前提だけれども。

 セックスには相手に対する思いやりが必要なんだよ。正解を知ってるのは目の前の相手だけなんだから、画面の向こうのお手本じゃなくて目の前の生身の相手を見ろ。それがセックスだろ。そうじゃなければそれは強姦と変わらないし自慰行為とも変わらない。相手が演技してるのは悲しいだろ。わたしみたいに「痛い触んな二度としねえぞこの下手くそが」って言ってみぞおち蹴り上げるひとはごく少数だ。言わない、言えないから勘違いが生まれやすいのがリアルだ。それをわかってほしい。

 ちょっとしっかりエロについてを書いてしまったんだけど、ムラムラしてもらうことが目的ではないし、そもそもこれ読んでムラムラするひとはほぼいないだろうから、創作における大切な性教育だと思って運営さんには目を瞑ってもらえたら嬉しい。

 わたしは表現の自由から女の子を守りたい。

 そしてこれはひとりごとであるので批判文句反論その他諸々は要らないです。

 あーあ1ページまるまる使っちまった。でも大事なこと書いたぞーう。

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