縁側と猫と座布団とお茶

第5話 過去になるのは思ったより一瞬

　気分が乗らないからしばらく隠れていようかなあ、とか思っていたんですなっちゃんですこんにちは。これ書いてるときはこんばんはだけどまあいいや。

　なんだけどね、書かずに溜め込むと脳みそ爆発しそうなんだよね、容量少ないからさ。笑

　多分なんか書いてないと死ぬ病気なんですよ、動いてないと息できない小学生男子と一緒ですな。

　ってことでまずは小学生男子のはなしから。

　最近さ、上の子くんの成長が凄いんですよ、目を見張るものがあります。なんか、反抗期抜けたんですかね、あの、前作までのエッセイをご存じの方々しかわからんかもしれないんですけど、あの、担任に向かって「教師なんてみんな敵だ！　学校なんて滅んでしまえ！！」とか叫んで教室で椅子持って暴れてたあの上の子くんが、幼稚園のころわたしの漕いでる自転車から勝手に飛び降りて狭い歩道を全力逆走しやがったあの上の子くんが、2才のころ人んちの高級車のエンブレムに草詰め込んだ挙げ句に石まで投げやがったあの上の子くんがですよ、近頃めっっっちゃ成長してるんです！！

　なんか急におっとりしちゃってねぇ、おかんはびっくりですよ。学校楽しいらしいし、将棋にハマっていたはずがいつの間にかお笑い芸人に憧れるようになっちゃいました。

　癇癪で暴れて物を投げることもほぼないし、買い物には荷物持ちとして自主的についてきてくれるし、ご飯の手伝いはしてくれるし、なんか味噌汁とかカレーとか作ってくれるんすよ、手元めっちゃ怖いけどね。宿題もごねずにちゃんと自分でやるのさ。しかも下の子くんの宿題まで見てくれるの。にこにこしちゃって、おまえはだれだ。

　みたいになってるんです。この多大な変化をもたらしてくれたのは、恐らくテレビの中にあります。

　なんか、無人島を自力で脱出する番組があるのご存じですか。『冒険少年』かな？　なんかそういうバラエティ番組があって、あれにね、あばれる君が出てるんですけど、多分彼に影響されて上の子くんは変わったっぽいんですよね。少し前ですけど、彼が「少年少女にがんばってる姿を見せたい」みたいなことを言ってまして、そんな感じの姿を上の子くんは毎回一生懸命見てたんですよね。多分ああいうのが響いたんだと思う。いーやーほんとありがたい！　親とか担任がどんなに伝えたくても伝えられないものを、ほんの数時間で理解させてくれるなんて、なんちゅうありがたい存在なんでしょうね。しかしながらまあ、お笑い芸人に憧れるのは近々止めようと思ってます。食っていけないとかそういうことではなくて、非常に言いづらいんだけどあいつ才能ない……。笑

　んで、下の子くんですね。今は猛烈にあいつに手を焼いています。

　あっちが落ち着いたと思ったらこっちが反抗期きたー。笑

　もうねえ、宿題させるのに毎日ひと苦労ですよ。まず机に向かわないし、えんぴつは持たないし持ったところでミミズみたいな線しか書かないし、拗ねて泣くしもう面倒くせえ。

　音読は好きみたいなんですけどねぇ、とうとう漢字の学習が始まりまして、「男」とか「空」とかですけど、まあ〜書き順ぐちゃぐちゃなの！！　ミミズのくせに！！

　以前上の子くんのカウンセリングに行ったときに、「書き順なんて別にいいんですよ〜、結果として読めりゃそれでいいんですから〜」って言われたので、なるほどそんなもんかあ、とか思っていたんですけど、いや駄目だわこれ、だって文字だと認識できないもん！！

　上の子くんはすっかり大人になったので、わたしの心の底から努めて努めた穏やかな指摘にも素直に従ってくれるようになりまして、その反動もあって下の子くんに尚さら腹がたつ。笑

　ご飯もちゃんと食べないしさ。せっかくがんばってご飯作るじゃないですか。今日は鮭のトマト煮込み作ったんですよ、生ハムサラダとかね。

　食卓におかず並んでるじゃないの。そしたらあいつさあ、自分で背伸びして台所のほうの冷蔵庫開けて、瓶に入った鮭フレーク持ってきたんですよ。いやいやいやいや、そっちの冷蔵庫開けていいって言ってないし、そもそも鮭ならここにあるやんけ！！　おかず食う気まったくねえな、せめて鮭じゃなくてふりかけ持ってこいよ！！

　みたいな……なんかもう毎日疲れるんです……。笑

　でもまあそんな下の子くんもそれなりに優しいところがちゃんとあるんですよ。

　わたしがちょーっと床に転がってうたた寝しようとしてたら、そおっとお布団持ってきて掛けてくれたりですとかね、頭ぽんぽんってされて、耳もとで「おやすみ」って囁かれるんです。あれか、良くできた彼氏か。笑　あやうくがっつり寝るところでした。

　あとは、怖い動画をみんなで見てたら、ビビリ同士だから怖くてわたしと抱き合って見てるくせに、自分がはあっ！　っと思うと自分じゃなくてわたしの目をちいせえ手で隠してくれたりするんです。

　こういうのはねえ、上の子くんはやらないね。わたしはもうお姫さま気分ですわ。笑

　男の子ってこういうとこ面白いですね〜。

　男性陣の皆さんは子供のころお母さまにどんな感じでしたか？

　男の子育ててる真っ最中のママさんたちは、「うちこんな感じ」っていうのがあるのでしょうか！　「女の子はこんな感じよ！」みたいな。

　わたしはこれまでのおよそ10年くらいで、宇宙人生んでもうた→野生の猿と変わらない→動物園の猿に近づいた→早く人間になってくれよおお！！　まできてて、最近やっと上の子が人間に近づいたように見えてます。下の子は今のところ動物園の猿と同レベルです。野生を脱してくれて良かった。

　ときが経つのって、あっという間ですよねえ〜。